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情報誌「瀬戸マーレ」

アートのすすめvol.15 春の息吹を浴びて感性が目覚める、公園内の美術館

すべての生命が躍動する春。フレッシュな息吹を浴びながら、アートで目と心を潤しませんか。意欲的に現代アートを収蔵・展示する広島市現代美術館は、初めて公立で現代美術を専門にした美術館。
広島市内を一望できる小高い比治山公園にあり、1,300本もの桜が咲く名所として知られています。姫路市立美術館は、日本さくら名所100選に選ばれている世界遺産・姫路城の東に隣接し、他館では見ることのできない郷土ゆかりの作品や海外の名作に出合えます。両館とも屋外にも彫刻が点在し、散策がてらアートを楽しみ、のんびりと過ごせます。

現代美術のエネルギーに触れて感じる広島市現代美術館

欧風のアプローチや日本の切り妻屋根、下から素材が自然石、タイル、アルミへ変化し、建物で国と時代を超えた融合を表現
欧風のアプローチや日本の切り妻屋根、下から素材が自然石、タイル、アルミへ変化し、建物で国と時代を超えた融合を表現

比治山を上ると見えてくるのが広島市現代美術館です。低層階のモダンな建物は、自然との共生を考えて建築家・黒川紀章によって設計されたもの。
ここには主に第二次世界大戦後の秀作や若手アーティストによる現代美術作品1,500点以上がコレクションされ、絵画、オブジェ、映像、インスタレーションなど多彩な展示を楽しめます。また、岡本太郎「明日の神話」の原画など、広島の歴史や平和を扱う作品も見逃せません。
現代美術は難しいと思われがちですが、ユニークな切り口やわかりやすいテーマで展示され、展示室には作品解説スタッフが常駐していますから気軽に疑問をたずねることができます。屋外では爆心地方向にたたずむヘンリー・ムーアの「アーチ」など、オブジェと自然のコラボレーションを楽しめます。

イベント情報

■特別展
「路上と観察をめぐる表現史―考現学以後」

期間/~2013年4月7日(日)
赤瀬川原平、藤森照信ら観察者が路上に繰り出して見出した創作物を紹介。発見という行為が表現として成立する様子を見ることができます。


[関連企画]
◆アトリエ・ワン講演会
日時/2013年3月30日(土) 午後2時~午後3時30分
定員130名、当日午前10時より整理券配布、
要展覧会チケット(半券可)

◆ログズギャラリー「農民車」試走会
日時/2013年4月7日(日) 午後2時~午後3時30分


「日本の70年代」

期間/2013年4月20日(土)~7月7日(日)
大阪万博や学生闘争など、時代の波が表現に大きく影響を与えた70年代にスポットを当て、美術、デザイン、演劇、漫画などにより、当時の熱やムードを紹介します。


[関連企画]
◆スペシャル・ギャラリートーク
講師/前山裕司(埼玉県立近代美術館学芸員・本展企画者)
日時/2013年4月20日(土) 午後2時~午後3時30分
要展覧会チケット
その他開催予定


■コレクション展2013―Ⅰ
「レイヤー 層が生み出す表現」

期間/2013年3月16日(土)~6月23日(日)
レイヤー(層)というキーワードのもと、階層をなす技法や概念から生み出された作品を紹介します。

DATA

住所/広島県広島市南区比治山公園1-1
TEL/082-264-1121
開館時間/10:00~17:00(入館は16:30まで)
※5月3日及びお花見期間(3月下旬~4月上旬)については19:00まで開館
休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/27~1/1)
料金/コレクション展 一般360円、大学生270円、高校生170円、中学生以下無料
※特別展は展示会により異なる
HP/http://www.hiroshima-moca.jp

広島市現代美術館 アクセスマップ

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ここでしか目にできない美や世界感に浸る
姫路市立美術館

明治時代につくられた赤レンガの建物は、陸軍の施設として使用されたもの
明治時代につくられた赤レンガの建物は、陸軍の施設として使用されたもの。2003年に国の登録有形文化財に認定。姫路城は現在、大天守保存修理中。
修理見学ができる。(写真提供:姫路市)

赤レンガが趣ある姫路市立美術館は、郷土ゆかりの作品や国内の名品、姉妹都市提携の縁でベルギー美術のコレクションが充実しています。とりわけ運命の苦悩や欲求といった精神状態を描いた作品が多く、その世界にどっぷり入り込んでしまいます。
また卓越した匠の技がなければできない二百度摺りの木版画を収めた「大日本魚類畫集」もあり、見たこともない美しさに心を奪われます。
これらの収蔵品はコレクションギャラリーで展示替えしながら紹介されるほか、企画展の中でも展示。さらに常設展示室では、クロード・モネ「アルジャントゥイユの泊地の夕日」など、寄贈された近代フランス絵画が公開されています。周囲には姫路城や動物園、庭園などの施設が整い、思い思いの時間を過ごせます。

イベント情報

■特別企画展「エミール・クラウスとベルギーの印象派」

期間/2013年4月20日(土)~5月26日(日) フランスの印象派に影響を受け、独自に発展したベルギーの印象派。その中心人物エミール・クラウスの作品を中心に、「光」の表現や、日本の印象派とのつながりをたどります。


[関連企画]
◆講演会「ヨーロッパのポスト印象主義者、エミール・クラウスの芸術」
日時/2013年4月20日(土) 午後2時~(先着100名)
◆解説会「ベルギーの印象派と日本の印象派」
日時/2013年4月27日(土) 午後2時~(先着100名)


「美術館に行こう ! ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方」
期間/2013年6月22日(土)~9月1日(日)
世界中で愛されている絵本の主人公「ミッフィー」。その原作者ブルーナの絵本『うさこちゃんびじゅつかんへいく』のお話に沿って所蔵品を紹介します。


■コレクションギャラリー

「日本の聖なる絵画」
期間/2013年4月2日(火)~5月6日(祝)
近代以降に描かれた、村上華岳、堂本印象などの宗教画を紹介します。


「没後50年 山本敬輔」
期間/2013年5月8日(水)~6月2日(日)
幾何学的抽象からアンフォルメルへ作風を変貌させる姫路市出身の洋画家・山本敬輔の作品を紹介します。


「ベルギー美術の名品」
期間/2013年6月4日(火)~6月30日(日)
ベルギー美術のコレクションの中から、ポール・デルヴォーやルネ・マグリットの作品にスポットを当てます。

DATA

住所/兵庫県姫路市本町68-25
TEL/079-222-2288
開館時間/10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)
料金/常設展示室 一般200円、高大生150円、小中生100円
※企画展示室は展示会により異なる
HP/http://www.city.himeji.lg.jp/art/

姫路市立美術館 アクセスマップ

エントランススペースには、開放感あふれるカフェや、オリジナルグッズ、特産が並ぶショップがある
エントランススペースには、開放感あふれるカフェや、
オリジナルグッズ、特産が並ぶショップがある

せとうち美術館ネットワークとは

瀬戸内の美術館が相互にネットワークを形成して、地域全体としてのアートの魅力を発信する組織が「せとうち美術館ネットワーク」です。今回紹介した2つの美術館を含め、魅力ある46の美術館・博物館が参加しています。ネットワークでは「子どものアート感想文」募集などを通じて、教育普及活動にも力を尽くしています。

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