高知市内を一望できる五台山。ここに約6ヘクタールの敷地を持つ高知県立牧野植物園はある。自然のままの丘陵地を生かした園内には、野生も含めて3,000種類以上の植物が四季を彩っている。
ときは春、なんといっても桜のシーズンは外せない。そのあとも、ツツジ、トビカズラ、アジサイ、ユリと花は咲き続ける。期間限定のフラワーショーでは、土佐名物の皿鉢料理になぞらえた、直径約10mもの花皿鉢が展示されているのも見逃せないだろう。
小高い山を登って園内に足を踏み入れたボクは、迎えてくれた木々の緑に心洗われた。マイナスイオンだろうか、並木道の木々から吹く風が心地よい。屋根のある回廊からは、高知平野の眺望も楽しめる。小鳥が鳴いて、空を仰げば空気もうまい。足元に、見知らぬ花がそっと咲いているのに気が付いて、微笑ましい気持ちになった。山歩きをしているみたいで、植物園にいることを忘れてしまいそうだ。