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猪熊弦一郎《黄色いスカートの婦人》1946年
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館蔵
©公益財団法人ミモカ美術振興財団
スカートの形が変形され、リズムが生まれている。30代に渡仏し、アンリ・マティスと出会った影響が体の形や色彩に感じられる。
70年にわたる画業において、常に好奇心をもち、新しいものに挑戦し続けた猪熊弦一郎。少年時代を過ごした丸亀市には、猪熊が理想とした「美術館は心の病院」という思いを具現化した丸亀市猪熊弦一郎現代美術館があります。猪熊と建築家・谷口吉生が対話を重ねてつくりあげたもので、誰でも気軽に来て、疲れた心を癒やし、元気を取り戻せるように、JR丸亀駅前の便利な場所にあります。広く光あふれる空間は、いるだけでリフレッシュできます。
興味深いのは展示内容。猪熊は自分の作品を中心とする記念館のようなものではなく、現代アートを紹介する役割を重視。今を生きるアーティストが生み出す作品には新しいものの見方や生きるヒントがあると考えました。
これを反映して、企画展は現代アートを中心に構成。もちろん猪熊から寄贈された作品、写真、映像など約2万点も収蔵していて、常設展で見ることができます。