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恵峰さんと巡ろう 四国おへんろ

四国は行く先々に八十八ヶ所霊場の札所があります。旅のついでに足を伸ばしませんか。
参拝しながら歴史や由来を知り、建築、仏像などの美にふれ、心安らぐ充実した時間を過ごせます。

弘法大師も拝んだ七仏薬師如来を間近で拝観

第17番札所 瑠璃山 井戸寺
阿波藩主・蜂須賀公の別邸から移築、寄進された門。四国最大級の仁王像と大わらじが飾られている。

徳島市の西部、のどかな風景のなかに朱塗りの仁王門が見えてきます。白鳳2年(673年)に天武天皇の勅願により創建された井戸寺です。「弘法大師が拝みに訪れたご本尊の七仏薬師如来と、その時に刻んだ十一面観世音菩薩があるんですよ」と恵峰さん。「七仏薬師如来は本堂で拝めます」ということで向かいました。

左手に薬壷を持った薬師瑠璃光如来を中心に両側に3体ずつ並んだ薬師如来。七仏薬師如来の七仏をこんなふうに坐像で拝めるところは珍しく、見入ってしまいます。その手前には薬師如来を東西南北の方角から守る四天王と、昼夜十二の時から守る十二神将がにらみをきかせています。井戸寺は何度も大火に見舞われ、昭和43年に本堂が焼失したときは、村人たちが運び出し、薬師瑠璃光如来だけは守ることができたそうです。

本堂の手前左側には寺号の由来となった「おもかげの井戸」があります。人々が濁り水で悩んでいることを聞いて弘法大師が一夜のうちに錫杖で掘ったと伝えられ、井戸に自分の姿が映れば無病息災、映らなければ3年以内に厄災が訪れるといわれています。お参りの際にのぞいてみてはいかがですか。

「お薬師さんが放つ光を瑠璃光といいます。手の形や持っているもので役目が違うんですよ」と副住職。
おもかげの井戸は自分で日を決めて日参すればご利益があるとされている。

札所のみかた

御加持水は持ち帰りできる

おもかげの井戸の水は今もかれることなく湧いていて、霊験あらたかな御加持水として持ち帰ることができます(持ち帰り容器1個100円)。この水で薬を飲むと病気が早く治るといわれています。

福を招く吉祥飾紙を飾ろう

高野山発祥の「開運切り絵」。高野山には農地がなく、しめ縄を作る稲わらを入手することが困難で、この切り絵をしめ縄の代わりに飾るようになりました。「吉祥宝来」とも呼び、神棚や床の間などに一年中掛けて一年間の無病息災、招福をお祈りします。

千枚通しは毎朝飲むお守り

千枚通しは小さな御札。毎朝1枚を水に浮かべ、「南無大師遍照金剛」と3回唱えて飲むと厄除けや万病に効くとされ、精神的な安定も与えてくれます。安産祈願の時は2枚飲みます。

諡号(しごう)1100年記念バッジを集めよう

2020年は空海が弘法大師というお名前をいただいて1100年になる年。これを記念したバッジが9番、17番、30番、37番、45番、58番、66番、83番札所で発売されています。8つ全てのバッジを集めると、「南無大師遍照金剛」の大きなバッジが完成します。(専用ケース別売)

第17番札所 瑠璃山 井戸寺

[住所]徳島県徳島市国府町井戸北屋敷80-1
[宗派]真言宗善通寺派 [本尊]七仏薬師如来
[開基]天武天皇    [創建]白鳳2年(673)
[真言]おん ころころ せんだり まとうぎ そわか

福田 恵峰(けいほう)さん

福田 恵峰(けいほう)さん

神戸市在住。仕事を持ちながら休日だけの札所めぐりを続けて、現在までに20回以上巡拝。そのほとんどが歩き遍路である。歩くたびに新しい出会いがあり、新しい自分を発見すると言う。四国八十八ヶ所霊場会公認大先達。NPO法人遍路とおもてなしのネットワーク理事・女性お遍路相談員。www.omotenashi88.net

〈公認先達〉四国八十八ヶ所霊場巡拝を重ね、弘法大師の教えに帰依し、新しく巡拝する人たちにお遍路の心得などを指導し、手本となることができると認められた人。四国八十八ヶ所霊場会が審査、認定している。

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