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情報誌「瀬戸マーレ」

ぐるグルわたる

卵で町おこしの「たまごかけご飯」

ワンコイン500円の定食「たまごかけご飯」を、ハンドルネーム「しまなみわたる」さんから、教えていただきました。「ご飯、たまご、味噌汁、漬物、黄ニラ水餃子がついてきます。6種類のたれでたまごかけご飯を食べます。お好きなたれで召し上がれ」。
たまごかけご飯で町おこしをしている岡山県久米郡美咲町へと早速行ってきました。

あったかご飯にからめれば黄金に輝き出す〝たまご〟

たまごと醤油で白いご飯をぐぐっといただく、たまごかけご飯。

このシンプルな料理「たまごかけご飯」は、美咲町出身の岸田吟香という明治時代のジャーナリストが日本に広めたといわれています。

町内に西日本最大の養鶏所「みさきファーム」があることから、美咲町では2008年より町おこしとして「たまごかけご飯」店を始めました。その第2店舗となるのが、民間出資店の「たまごかけごはんの店~らん~」です。

店主の牧陽子さんは、「うちで使っているのは、みさきファーム『森のたまご』の中でも特にL玉です。大きくてしっかりした味にファンが多いんですよ」。なるほど、とろりと、うまみの凝縮した味です。お米も一番おいしいものをと、探して行きついた柵原米を使用。同じく柵原の黄ニラを素材にした、もっちり『水餃子』を定食に加えています。

「お好みで、6種類のたれをかけて召し上がって下さい。黄ニラ入りが人気ですよ」と、牧さん。

ほかほかのつややかなご飯に、溶き卵をかけて混ぜれば、黄金色に輝くご飯が誕生。一口食べたら、たれをかけてまた一口。それぞれのたれで異なる味わいを、目いっぱい楽しみました。

溶き卵を手早くかき混ぜて、あつあつのうちにパクリ
溶き卵を手早くかき混ぜて、あつあつのうちにパクリ。6種類のたれは、黄ニラだれに、ピリ辛のネギだれ、あっさりしたシソだれ、風味豊かなゴマだれ、海苔だれに、辛めのラー油入りだれ
●たまごかけごはんの店~らん~

住所/岡山県久米郡美咲町吉ヶ原873-2
TEL/0868(62)0416
営業時間/土日祝の午前11時~午後5時(4時LO)
平日は予約制
休み/正月、お盆

たまごらんの店主牧陽子さん
らんの店主牧陽子さん。明るいトークで心なごみます

鮮やかな色合いの黄ニラ

たまごかけご飯に好みで添える「黄ニラだれ」。上品な歯ごたえの黄ニラは、岡山県ならではの特産です。黄ニラの独特のうま味に醤油が香ばしく溶け込んで、たまごかけご飯によく合っています。

らんで使用している黄ニラは、石戸芳典さんが愛情たっぷりに作ったものです。これを用いて、牧さんが独特の味わいのオリジナルたれを作っています。

岡山で黄ニラが作られたのは明治時代から。柵原鉱山跡地の休止坑道で栽培が始まり、現在全国の生産量の約7割を岡山県が占めています。



黒いビニルシートをかぶせて、日光を遮断することで作られる黄ニラ
黒いビニルシートをかぶせて、日光を遮断することで作られる黄ニラ。これを一度洗って、きれいに乾かしていく

黄ニラで漬け込んだたれが絶品
黄ニラで漬け込んだたれが絶品。たまごかけご飯を食べに、サイクリング愛好者など、県外からもたくさんやって来ます。森のたまごと黄ニラだれはお土産用にも販売

おかわりしたくなる柵原米

美咲町たまごかけご飯のおいしさの秘密は、お米にもあり。らんで使っているのは、美咲町で農家を営む中西清已さんが丹精を尽くして育てている柵原米。コシヒカリとフクヒカリのブレンドで、コシヒカリだけのものより味わい深いそう。農薬は嫌いと話す中西さん。「除草剤を一度使うのみで、あとはできるだけ無農薬に近い作り方をしています」。峰の連なる山の上の田んぼで、きれいな水に育まれたお米。地元の人々の努力によって、たまごかけご飯のおいしさが生みだされています。

棚田は、刈り入れを終えたあとも、手入れを怠りません
棚田は、刈り入れを終えたあとも、手入れを怠りません
●有限会社 山荘やなはら

「黄ニラ水餃子」は、「山荘やなはら」の手作り。ビタミンの宝庫の黄ニラに津山黒豚を使って、1つずつ心を込めて手作りしています。冬季限定(10月~3月)で、全国へ通信販売も行っていますよ。


住所/岡山県久米郡美咲町柵原728-10
TEL/0868(62)0181 FAX/0868(62)1461
URL/http://ww2.tiki.ne.jp/~yanahara/shop.htm

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