
シュガートマトは、2017年に日経新聞が行ったバイヤー調査で総合評価第1位を獲得。
日高村は山々に囲まれ、昼夜の寒暖差が激しく、おいしいトマトが育ちます。なかでも村をあげて研究改良に取り組み、1985年に誕生したシュガートマトは格別のおいしさです。普通のトマトの糖度が3度から5度なのに対し、「シュガートマトは糖度7度以上。甘いだけでなく、酸味とのバランスが良く、濃厚なコクがあります」とJA高知県の武政博三さん。市場やバイヤーからの評価は高く、大手スーパーや小売店、外食産業などに引っ張りだこです。
「JA高知県は一元集出荷体制をとっていて、シュガートマトをはじめ県内各地で生産される農産物は、集出荷場での選別を経て、高知新港にある園芸流通センターに集められます。そこから行き先別にトラックに載せられ輸送します。以前はフェリーを利用していましたが、現在は約95%が陸送です。フェリーだと出航時間が決まっていて、量が多いと荷造りが間に合わないことがあったのですが、高速道路ネットワークを利用すると時間調整が可能となり、輸送時間も短縮するので便利です。特に現在は、事前に価格、数量などを決めた相対取引が主流になっています。取引先から少し早く着くようにしてほしいなどの要望があり、細かく出発調整ができるのは陸送ならではです」
トマトは夏が旬のイメージですが、シュガートマトの旬は冬。出荷時期は11月から6月頃です。冬はゆっくりと成長するため、実に甘みやうまみが凝縮されるのです。正岡農園の主人・正岡知也さんによると、「苗は普通のトマトと同じですが、水をぎりぎりまで少なくして与えるので、実が小ぶりになり、甘みが凝縮します。受粉して実がなり、収穫できるまで約90日かかり、収穫量は普通のトマトの4分の1ぐらいです」と、いかに手間暇かけて育てているかがわかります。
それだけに出荷にあたっても高度な選果システムを導入し、差別化を図っています。収穫後、日高村にある「トマト選果場」に運び込まれたシュガートマトは、光センサーにより一つずつ糖度、酸度を測定し、外観センサーで色、形、キズを判別。基準をクリアしたトマトのみが糖度別に選別され、先述した高知新港にある園芸流通センターを経て全国へ届けられます。
「シュガートマトを欲しいという声が増えています」とJA高知県の武政さん。
「これからも高速道路ネットワークを利用して、おいしいシュガートマトをお届けします」