引越しみたいにキャンプ用具を車に満載して伯方島にやって来た。岩場に面したキャンプ場の、左右と後方は緑の木立に囲まれている。そのためか、ここだけが不思議に静かで、ぽっかりと別世界のようだ。潮の流れる音しか聞こえない。子どもの頃に仲間と秘密基地をつくったり、探検ごっこをした時の、あのワクワク感がよみがえる。
しまなみ海道の島々には、その昔、海戦に秀でた一族がいて村上水軍と呼ばれていたことはよく知られている。水軍だから、無法な海賊とはちょっと違うのだが、戦国時代には当時の名だたる武将と対等に渡り合って、瀬戸内海を制覇していたというから痛快だ。彼らは、あちこちの島に出城を築いて航行する船を監視していたらしい。
![]() 船折瀬戸 伯方島と、すぐ南側の鵜島(うしま)の間が船折瀬戸。今も、貨物船や小さな漁船がひんぱんに行き交う舟運の要所だ。 ビックルーフレフタ、フォールディングテーブルワイド、フォールディングフィールドチェア、クロノスドーム4型、ムーンライトテント5型/モンベル |
この船折瀬戸キャンプ場は、往来する船を監視する出城として絶好だろう。「ここは海賊の隠し砦だったに違いない」「目の前の島陰から突然、大きな海賊船がぬーっと姿を現すかも」と、子どもに戻ったような夢想にふけってしまう。よし、ここにみんなで海賊の基地をつくろう。
![]() 伯方レンタサイクルターミナルで、キャンプ場の受付。自転車も 借りられる。 |
![]() 調理台にガスボンベ、コンロ、 ランプ、炭も薪も。完璧の 準備だ! |
![]() 風にあおられないよう、地面に ペグ(杭)をさしてテントを固定 する。 |
![]() テーブルとイスを組み立てて、 タープの中に並べるとキャンプ 基地らしくなった。 |
船折瀬戸キャンプ場 【DATA】 住所/愛媛県今治市伯方町有津甲1979(問合せ&予約:伯方レンタサイクルターミナル)、Tel/0897-72-0018、受付時間/9:00~17:00、キャンプ場の設備/電気コンセント・上水道・トイレ完備、 基本利用料金/1泊:サイト使用料1,000円プラス中学生以上1人300円・小学生150円・幼児無料 一時利用(9時~17時):サイト使用料700円プラス中学生以上1人200円・小学生100円・幼児無料 (注)テントなど用品の貸出はしていない。ペットの持ち込みは不可 |
まずは、みんなでテントを張る。青い空、緑の島影をバックにカラフルなタープが広がった。潮風に飛ばされないようにロープで固定。自分の陣地を確保して、寝床づくりも完了した。車からクーラーボックスや調理用具を出し終えると、きれいな空気と潮の香りに刺激されたのか、腹の虫が鳴きだした。日が暮れる前に、食材を求めて出陣だ!
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EXライトウィンドジャケットMen's、ペアスキンコットンT釣り人、ストレッチO.D.ショーツMen's、ライトトレールタイツMen's、WIC.サポーテックトレッキングショートソックス、KAMICOワッチキャップ、キャニオンサンダル/モンベル | |
食料を自力でゲットしようと、レンタサイクルで「フィッシング・パーク大三島」へ。目の前の多々羅大橋がきれいだ。釣竿を借りて、250mの長い人工桟橋へ向かう。青い海をわたってくる潮風が気持ちいい。釣り堀とは違って、時間帯や潮流により魚種はさまざま。アジ、サバはもちろん、タイやチヌの大物も桟橋のすぐ下まで回遊してくるので、手軽に本格的な釣りの醍醐味を味わえる人気スポットだ。よっしゃ、と気合を入れて糸を垂らした。まき餌につられて、この日はカワハギの群れが水面近くまで上がってきた。夕食のおかずは目の前だ。さあ、釣るぞ! |
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フィッシング・パーク大三島 【DATA】 住所/愛媛県今治市上浦町井口(問合せ先:大三島漁業協同組合)、Tel/0897-83-0136、営業時間/8:30~16:30、 定休/水曜日・年末年始(12/30~1/3)、釣り料金/全日:大人1,000円・小人500円、半日:大人600円・小人300円、 貸用品/釣り具500円、救命胴衣100円 |
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地元の新鮮食材は、大島の「道の駅よしうみいきいき館」で調達。ここなら魚介から肉、野菜、果物までなんでも揃う。そのうえ店頭にバーベキューコーナーがあるので、すぐに焼けるように食材の下処理も済ませて串に刺したものまである。自分の好きな食材をどんどんカゴにのせていたら、あっという間にトロ箱いっぱいになってしまった。 |
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道の駅よしうみいきいき館 【DATA】 住所/愛媛県今治市吉海町名4520-2、Tel/0897-84-3710、営業時間/9:00~17:00、定休/元日のみ |