- 本館は大正時代を思わせるレトロな雰囲気
竹久夢二といえば誰もが思い浮かべるのが美人画。憂いを帯びた表情に大きな瞳、S字にくびれたしなやかな肢体は夢二式美人と呼ばれ、見る人の心をとらえて放しません。魅力はそれだけではありません。子ども絵や芝居絵も多く、さらには挿絵、本の装丁、浴衣や日用雑貨のデザインなど今日でいうところのグラフィックデザイナーの先駆けとして、また詩人としても活躍し、マルチな才能で大衆に大変な人気がありました。独学で絵を学び、画壇に属さなかったゆえに自由に制作できたことが多彩な夢二芸術につながったといわれています。
詩情豊かで、どこか郷愁を誘い、切なくも優しく語りかけてくるような作品の数々。それらは夢二の心の中の詩を描いたもので、ふるさとへの思いにあふれています。