
「ナルトレタビ」は、美津菱足袋がオリジナルで作っていたデニム足袋が原型になっている。
鳴門市は、埼玉県行田市、岡山県倉敷市と並ぶ足袋の三大産地に数えられている。港町として発展し、江戸時代には阿波藍を売りに出た商人が持ち帰る綿布が集積。四国八十八ヶ所霊場の一番札所があったことから、お遍路さん向けの足袋などの生産が盛んになった。また、阿波踊りも足袋の需要を支えてきた。
その鳴門市で新たに開発されたのが、現代人が抱える足の問題を改善する「ナルトレタビ」だ。「足袋は指先が分かれていて、地面をつかんで歩くので、足指や足裏を鍛える効果があります。コロナ禍でお祭りが中止になるなど足袋の需要が減少し、伝統産業の振興と健康づくりをかけあわせて支援したいと考えました」と鳴門市役所スポーツ課の岡田紘幸さん。
市まちづくりアドバイザーで体幹トレーニング第一人者の木場克己プロトレーナーに相談すると、最近は扁平足や外反母趾、足の指が地面に設置しない浮き指の人が増え、姿勢やバランスの悪化を招いているという。そこで足袋メーカーの美津菱足袋や香川県多度津町のインソールメーカー日本ケミフェルトなどにも協力を依頼し、開発が始まった。
「ナルトレタビ」の素晴らしさは、日常的に履くだけで足指の筋力が鍛えられ、足裏全体でしっかりと身体を支えて正しい姿勢や安定した体幹を得られること。その秘密はインソールにある。アーチ型で理想的な土踏まずの形になるようにサポートし、足の先端部分がカットされているので、足指が地面をしっかりと〝咬む〟動きを促してくれる。実際に検証し、浮き指や外反母趾が改善したという効果が得られている。また、伸縮性のあるデニム生地で、おしゃれで履き心地が良いのも魅力だ。
特別に「ナルトレタビ」を作っている美津菱足袋の工場を見学させてもらい、職人さんの丁寧な手仕事と高い技術に感動した。廣瀬雄一郎社長の「伝統を守りながら挑戦することを大切にしています。このプロジェクトに参加でき、職人ともどもやりがいを感じています」の言葉が力強かった。
健康づくりに「ナルトレタビ」が欠かせないものになりそうだ。
「ナルトレタビ」19㎝~22㎝4,950円、23㎝~28㎝5,500円。サイズは1㎝刻み。購入は、NARUTOスポーツコミッション(鳴門市役所スポーツ課窓口)または販売サイト(https://narutosc.official.ec/)のほか、スポーツクラブルネサンス公式オンラインショップ(https://online-shop.s-re.jp/)で販売。鳴門市のふるさと納税の返礼品にもなっている。