2019年6月14日(金) 橋の科学館第38回講演会を開催しました。

 第38回講演会は「目視を超えて橋を守る技術-赤外線カメラを用いた非破壊検査技術-」と題し、神戸大学大学院工学研究科教授 阪上隆英氏にお話を頂きました。

 本講演では、鋼橋を「腐食」と「疲労」から守るために用いられている様々な非破壊試験技術の中でも、遠隔から広範囲を効率的に検査できる手法として、赤外線カメラを用いた目視を超えた検査法について紹介頂きました。

 はじめに赤外線カメラで身近なものを撮影し、赤外線という波長での物の見え方を体験しました。その後、亀裂発生予測・亀裂検出・亀裂進展評価・補修効果検証において赤外線検査がどのように有効活用されるのか、実験時の動画を交えて分かりやすく説明されました。

 平日にもかかわらず、インフラの点検に従事されている方や明石海峡大橋の建設に携わった建設会社OBの方、地域にお住まいの方等、幅広い年代の50名を超える多くの方に聴講頂きました。

 講義後の質問時間では「長大橋の寿命について」「赤外線カメラを用いた非破壊検査技術の他分野への展開」等、興味深い質疑応答もあり、充実した講演会になりましたこと,事務局より感謝いたします。

 次回は、8月に小・中学生を対象とした夏休み自由研究教室を、9月に第39回講演会を開催する予定です。内容が決まり次第、当社ホームページ等でお知らせいたします。

会場の様子
会場の様子

橋梁の塗装について
橋梁の塗装について

 平成31年3月16日(土) 橋の科学館第37回講演会を開催しました。

 第37回講演会は「しまなみ海道をサイクリストの聖地に」と題し、愛媛県県民環境部長 金子浩一氏より、日本で唯一高速道路を通行止め実施中の “瀬戸内しまなみ海道・国際サイクリング大会”の紹介と開催までの経緯、国内外に「サイクリストの聖地」としての認知が高まるきっかけとなったプレ大会(2013年)を中心にご講演いただきました。

 講演の中では、大会の特徴や、本大会がタイムを競うレースではなく幅広く多くの方に参加していただくためにサイクリング大会とした件や、プレ大会時に発生した問題点やその解決方法、サイクリストへの環境整備の結果、海外でも取り上げられることが増え、しまなみ海道を訪れるサイクリストが年々増加していることなど世界中に誇れるサイクリングロードの素晴らしさを当日の大会映像も含め紹介いただきました。
 当日は、実際にしまなみ海道を自転車で走ったことがある方など、幅広い年代の50名を超える多くの方に参加頂きました。質疑応答では、今後のしまなみ観光振興等について興味深い質疑応答もあり、充実した講演会になりましたことを事務局より感謝いたします。
 次回は、6月14日(金)に、「目視を超えて橋を守る技術-赤外線カメラを用いた非破壊検査技術-」と題し、講演会を予定しています。

詳細はこちらをご覧ください。
http://www.hashinokagakukan.jp/news/shosai.php?id=128

講演会の様子
講演会の様子

講師の金子氏
講師の金子氏

平成31年1月19日(土)、橋の科学館第36回講演会を開催しました。

第36回講演会は「最近の海外長大橋」と題して、株式会社 長大 海外事業本部 理事 秦健作氏にお話を頂きました。

 今回の講演では、2016年にトルコ共和国で開通した世界最大規模の2橋、「イズミット湾横断橋(オスマン・ガーズィー橋)」及び「第3ボスポラス橋(ヤヴズ・スルタン・セリム橋)」の施工技術を中心に本四高速が管理する長大橋に用いられた技術との関係について紹介して頂きました。

 まず、事業背景として上記2橋の開通に伴う周辺地域の利便性向上や事業方式としてBOT方式を採用したことをご説明頂いた後に、2橋の施工工程に沿いながら、使用された技術について詳しく紹介して頂きました。ご紹介頂いた技術の中でも、ケーブル送気をはじめ、イズミット湾横断橋で採用された地震の揺れを軽減する免震基礎構造や斜張橋と吊橋の複合構造である第3ボスポラス橋の設計・施工には、瀬戸大橋や明石海峡大橋の実績に基づく技術や明石海峡大橋を超える規模の超長大橋で検討された技術が採用されていると説明頂き、講演会に参加された皆様も高い関心を持っておられたように感じます。

 講演を通して、海外長大橋における専門的な施工技術の紹介だったにも関わらず、講師の分かりやすい解説と随所にちりばめられた現地での実体験の話題で盛り上がり、質疑応答時には、紹介された技術などについて参加者と活発なやりとりがありました。

 時節柄、冷たい寒い風が吹く日でしたが、50名を超える盛況であったこと事務局より感謝いたします。

 次回の講演会は、平成31年3月16日(土)に開催されます。愛媛県県民環境部長 金子浩一氏より、「しまなみ海道をサイクリストの聖地に」と題してご講演頂く予定です。

詳細はこちらをご覧ください。
http://www.hashinokagakukan.jp/news/shosai.php?id=127

会場の様子
会場の様子

施工過程について
施工過程について

聴講者からの質問に答える秦氏
聴講者からの質問に答える秦氏

 平成30年11月17日(土)、「土木の日(11月18日)」にちなみ、「第11回橋梁模型コンテスト」と「土木の教室」が開催されました。
 これらは神戸市などが主催となって開催されるイベントで、「コンテスト」は土木の将来を担う人材と土木に関する広報を目的とし、「教室」は、親子で土木を学ぶ体験学習として、本四高速ほか6団体が協賛となって、明石海峡大橋たもとの舞子にある展示施設「橋の科学館」で行われました。
 橋梁模型コンテストは、高校、高専、大学から17チームが参加し、予め製作しておいた橋梁模型について審査が行われました。審査は、来場者の人気投票による「一般審査」、審査員による完成度やデザイン性をはじめとする「専門審査」に次いで、メインイベントでもある20キログラムの車両を走行させての載荷試験によって行われました。
 各チーム順に、工夫を凝らした点などをプレゼンテーションしました。審査員からの厳しい質問もさらりとかわし、いよいよ緊張の載荷試験に移りました。何事もなかったように車両が渡りきった橋梁、ミシミシといやな音を立てながらも持ちこたえた橋梁、残念ながら落橋してしまった橋梁など様々でしたが、そこは若さ。悔いなくやりきった感じのさわやかな笑顔をみせていました。
 審査員からは、「橋を見る人の視点にたってデザインして欲しかった」とか「構造力学的に不要な断面を削って軽量化してはどうか」などといったアドバイスや「普通科にしてよくぞここまでの完成度に達したものだ」とか「今回の反省点を後輩に引き継いで、是非来年度も出場して欲しい」などの今後への期待感が伝わってくるようなコメントがありました。
 今回優勝したチームは、みごと過去三年連続の常勝チームをかわし、「一般審査での人気賞」と「専門審査による最優秀賞」のダブル受賞となりました。最優秀賞、優秀賞、優良賞の作品は、12月中旬頃まで橋の科学館くつろぎのスペースに展示しています。来年は是非、相手は強豪揃いかもしれませんが、皆様も挑戦されてはいかがでしょうか。
 一方の土木の教室は、「マッチ棒でトラス橋をつくろう」と題し、小学校3年生以上の親子数組が参加し、「専門家による橋のはなし」や「マッチ棒でつくるトラス橋の模型づくり」が行われました。各親子とも、最近はめっきりみかける機会も少なくなったマッチ棒と接着剤を使って、楽しそうにトラス橋といった三角を組み合わせた構造の橋を製作していました。
 そんなこんなで楽しいイベントは、あっという間に終了の時を迎えました。

デザインに趣向を凝らした橋梁
(デザインに趣向を凝らした橋梁)

緊張の載荷試験
(緊張の載荷試験)

優勝した「KOGAKUIN CIVIL-LAB」
(優勝した「KOGAKUIN CIVIL-LAB」)

 平成30年11月10日(土)、橋の科学館-第35回-講演会「淡路人形浄瑠璃の歴史と現状 ~郷土の古典芸能を守り、伝える「淡路人形座」~」が開催され、(公財)淡路人形協会理事長の正井良德(まさいよしのり)氏にお話をいただくとともに、淡路人形浄瑠璃の特別上演をしていただきました。

 500年の歴史を誇る淡路人形浄瑠璃は、国指定重要無形民俗文化財にも選ばれています。講演いただいた淡路人形座は、「郷土の古典芸能を守ろう」とする人々によって生まれ、今日においても次世代への伝承を続けています。

 講演の中では、人形芝居が淡路から全国各地に伝わっていることや、現在の海外での活動など、幅広く人形浄瑠璃の歴史をユ一モア交えて紹介いただきました。その後に行われた人形解説では、人形の操り方や人形浄瑠璃特有の表情の伝え方を解説いただき、講演会に参加された方も、なるほどとうなずきながら耳を傾けておられました。

 特別上演「戎舞(えびすまい)」の演目では、神戸淡路鳴門自動車道全通20周年の更なる発展や、講演会に参加された方の健康を祈願したりする芝居に、笑いや拍手も起こり、楽しく充実した講演会になりましたことを事務局より感謝いたします。

 次回、第36回講演会は平成31年1月19日(土)、「最近の海外長大橋」を開催予定です。講演では、最近の海外の長大橋事情、今後の展開などを紹介する予定です。
詳細はこちらをご覧ください。
http://www.hashinokagakukan.jp/news/shosai.php?id=124

正井氏の講演の様子
正井氏の講演の様子

人形解説
人形解説

特別上演の様子
特別上演の様子