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情報誌「瀬戸マーレ」

アートのすすめvol.18 アートに染まる街でミュージアムロードを散策しながら美術館巡り

明治の開港とともに西洋文化がいちはやく取り入れられた神戸。ここには芸術文化を育む豊かな土壌があり、美術館、博物館が数多く点在しています。なかでも兵庫県立美術館と神戸市立王子動物園を結ぶミュージアムロードは、気軽にアート散策を楽しめるスポット。近現代の作家や作品に出合えるBBプラザ美術館、国際的に評価の高い横尾忠則芸術を堪能できる横尾忠則現代美術館など個性的な美術館があり、アートの奥深さに触れられます。10月1日から12月1日までは神戸の街がアート一色に染まる「神戸ビエンナーレ」も開催され、神戸から目が離せません。

明石の魅力を形成してきた秘密に迫る明石市立文化博物館

作品をさえぎるものがなく、間近でじっくりと鑑賞できる展示室。作品を年代順やモチーフで分けるのではなく、展示室を巡ると一つの物語が完結するようなレイアウトや解説が心憎い
展示室を入ってすぐ、太くて長い牙を持つアカシゾウに圧倒される。200万年前から60万年前に住んでいたとされ、当時の明石は近畿地方から淡路島、四国へと広がる大きな湖だった

明石城の堀沿いの道を上った高台にある明石市立文化博物館。明石の歴史、文化が8つのテーマにわけて紹介され、地域の魅力を深く知ることができます。目を奪われるのはアカシゾウの全身骨格標本。かつて明石一帯に住んでいたそうで太古のロマンが漂います。また、古くから東西交通の要所だったことがわかる絵図や、盛んだった焼き物、城下町としての歴史資料もあり、農業や漁業の街として発展している理由が解説されるなど興味深いものばかりです。
これら常設展示以外に、4月と1月には特別展、年4回程度企画展が開催され、多彩なテーマで美術作品に触れられる機会がいっぱい。体験学習室では火おこし体験や、十二単・鎧の着付体験(要予約)もでき、2階のテラスに出ると明石海峡大橋や淡路島の美しい眺めが心をいやしてくれます。

イベント情報

■新春特別展
「黄金期の浮世絵  歌麿とその時代」

期間/平成26年1月4日(土)~2月9日(日)
会期中無休美人画と役者絵を中心に、肉筆画を含む全盛期の浮世絵約130点を展示。細やかな仕草や表情で女性の色香を表現した喜多川歌麿やその弟子、鳥居清長や鳥文斎栄之など個性豊かな絵師の浮世絵を楽しめます。


[関連イベント](観覧券が必要)
◆講演会「歌麿とその時代   浮世絵は謎がいっぱい」
 講師/中右瑛(国際浮世絵学会常任理事)
 日時/平成26年1月11日(土)、2月1日(土)
    両日とも14:00~15:30 定員は各日80名(要申込)

◆学芸員による作品解説(当日自由参加)
 日時/平成26年1月8日(水)、1月30日(木)は11:00~
    1月19日(日)、25日(土)は11:00~と15:00~

◆ロビーコンサート(当日自由参加)
 出演/明石フィルハーモニー木管五重奏団
 日時/平成26年1月26日(日)14:00~

DATA

住所/兵庫県明石市上ノ丸2-13-1
TEL/078-918-5400
開館時間/9:30~18:30(入館は18:00まで)
休館日/月曜日(祝日、休日、特別展開催期間中を除く)、年末年始(12月29日~1月3日)
料金/大人 200円、大学・高校生 150円、中学生以下無料
※特別展・特別企画展は特別料金となります。
HP/http://www.akashibunpaku.com/

明石市立文化博物館 アクセスマップ

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横尾忠則が紡ぎ出す多彩な世界に夢中
横尾忠則現代美術館

香川県立ミュージアム
大きな空間を使ってたくさんの資料を展示。通路の中央には各時代を代表する大型展示物があり、金毘羅参詣の客が訪れた船着き場に築かれた江戸講中燈籠や、江戸時代の庄屋、戦後の住宅などが再現され、時代の空気を感じられる

石垣と堀が美しい高松城跡(玉藻公園)に隣接する香川県立ミュージアム。歴史博物館と美術館の機能をあわせもつ文化の拠点で、歴史資料をはじめ、絵画や、イサム・ノグチ、猪熊弦一郎といった香川ゆかりの作品、伝統工芸など膨大なコレクションを誇っています。
注目は、歴史展示室。原始から近現代まで時代を追って香川の歴史が資料や展示物、映像で紹介され、見ごたえたっぷり。ナウマン象の牙の化石や、復元された白峯寺十三重塔などの大型展示物に囲まれていると、その時代に迷い込んだかのような気分に浸れます。
常設展示室では、高松藩藩主の松平家ゆかりの大名道具や、讃岐で生まれた弘法大師空海に関する資料が充実。他にも広い館内では特別展、常設展で多彩なジャンルの美術が紹介され、一日かけて巡っても足りないほどです。

イベント情報

■特別展
第60回日本伝統工芸展」

期間/平成26年1月2日(木)~1月19日(日)
伝統の技を磨き、現代に即した新しいかたちを築く第60回日本伝統工芸展から、重要無形文化財保持者、受賞者の作品を紹介します。

[関連企画]
◆テーブルトーク「伝統とは何か  ―いまを生きる工芸―」
 講師/磯井正美氏(漆芸家・人間国宝)、山下義人氏(漆芸家・
 人間国宝)、北岡省三氏(漆芸家・日本工芸会四国支部幹事長)
 <進行役>
 日時/平成26年1月11日(土)13:30~14:45
 定員/230名(申し込み順)

■コレクション展

「近世讃岐のやきもの」
 期間/平成26年1月2日(木)~2月23日(日)
 お殿様が焼かせたお庭焼き「理兵衛焼」や、平賀源内が開発
 した「源内焼」など江戸時代、讃岐で作られた「やきもの」
 を紹介します。

「じっくり味わう江戸絵画」
 期間/平成26年2月27日(木)~4月20日(土)
 江戸時代に描かれた様々な絵画を鑑賞しながら、見所、ツボ
 など、ちょっと学べる古美術入門編です。

DATA

住所/香川県高松市玉藻町5-5
TEL/087-822-0002
開館時間/9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月26日~1月1日)、ゴールデンウィークの期間は無休
料金/設展:一般400円、高校生以下は無料
※特別展は別途料金となります。
HP/http://www.pref.kagawa.lg.jp/kmuseum/

香川県立ミュージアム アクセスマップ


せとうち美術館ネットワークとは

瀬戸内の美術館が相互にネットワークを形成して、地域全体としてのアートの魅力を発信する組織が「せとうち美術館ネットワーク」です。今回紹介した2つの美術館を含め、魅力ある47の美術館・博物館が参加しています。ネットワークでは「子どものアート感想文」募集などを通じて、教育普及活動にも力を尽くしています。

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