にぎわう明石駅前の通りを南へ行くと魚の棚だ。東西約350mのアーケードの下には鮮魚、乾物、加工品の店や飲食店がひしめいて興奮する。だけどその前に昼市を見てみたい。
魚の棚を通りすぎ、明石港に向かう。公設地方卸売市場水産物分場前の港には夜中に漁に出た船が続々入ってきている。トロ箱の中はサワラ、タチウオ、ハマチなど冬が旬の魚がいっぱいだ。昼市で扱っているのは明石海峡でとれた〝まえもん〟の魚が中心で、潮の流れが速いため身が引き締まっておいしいのだとか。


午前11時半きっかりに鐘が鳴り、せりが始まった。せり人の呼びかけに買い付け人が値段を指で示し、次々とせり落としていく。その間わずか数秒。まわりでは少しでも早く運ぼうとトラックがスタンバイしている。魚の棚にもこのまま超特急で運ばれるというから新鮮なわけだ。