- 明治時代の洋風建築を思わせる外観が美しい。美術館のある入船山公園には、明治時代に鎮守府が置かれ、軍港として発展した呉の歴史を感じる施設がある
緑豊かな入船山公園の一角、彫刻が点在する緩やかな坂道を上ると、レンガ色の六角形タイルが瀟洒な呉市立美術館が見えてきます。「美術館通り」と呼ばれるこの道は日本の道100選に選ばれ、アートにふれながら散策を楽しめるスポットです。美術館ではそれらの彫刻とともに、近現代を中心にした国内外の作品約1000点をコレクション。奥田元宋、平山郁夫など広島ゆかりの作家や、ルノワール「麦わら帽子の少女」、ブールデル「弓をひくヘラクレス」など、年3回のコレクション展でテーマに沿って展示されています。特別展も見ごたえがあり、さまざまなジャンルの多彩な作品に出会えます。
2017年には漫画家こうの史代氏の『この世界の片隅に』のマンガ原画が寄託されました。広島・呉の戦時中を舞台にした物語で、戦争の悲惨さだけでなく、普通の暮らしや家族愛、ラブストーリーなどが描かれ、テレビドラマやアニメ映画にもなり注目されています。今夏は寄託を記念し、マンガ原画展が開催されます。周辺には物語に登場する風景も残されており、一緒にまち歩きをするのもおすすめです。