江戸時代から続く優雅な庭園美と、世界の名画や古代ロマンに浸れる場所、それが丸亀市にある中津万象園・丸亀美術館です。
森の自然に魅せられ、農村の暮らしや風景を描いたバルビゾン派の画家たち。丸亀美術館の絵画館には、その代表であるカミーユ・コローやジャン・F・ミレー、レオン・V・デュプレなどの絵画が飾られ、心に深く染み入る詩的な描写に森の中に佇んでいるような気分になります。
そんな世界観とは異なり、ペルシア美術のロマンに浸れるのが陶器館。イラン・イラクを中心に出土した紀元前2500年頃から13世紀頃までの彩文土器や陶器、ガラス器などが展示され、動物や植物の美しい文様や装飾、鮮やかな色彩に目を奪われます。
どっぷりアートに浸った後は大名庭園を散策。丸亀2代目藩主・京極高豊の命でつくられた中津万象園は、京極家のふるさとである近江の琵琶湖をかたどった池に、近江八景をなぞらえた八つの島が配され、美しい松や橋が彩りを添えています。直径15mの大きな傘を開いたような大傘松や、江戸後期に建てられた現存最古の茶室・観潮楼など見どころいっぱいで、日本の美の粋を楽しめます。