ホーム > 瀬戸マーレ vol.54 > ミカンの香りがする日本一に輝いたシシ肉
岡山県・西粟倉村
愛媛県・大三島

ミカンの香りがする
日本一に輝いたシシ肉

ドライブがてら立ち寄って気軽にジビエを楽しめるのが、しまなみ海道の大三島。
名立たるレストランのソムリエから絶賛されたイノシシ肉と、
色とりどりのイノシシ革の小物にジビエのイメージが変わりそう。

リピートしたくなる
イノシシ肉の濃い旨み

大三島の大山祇󠄁神社の隣に、ジビエ専門カフェレストランDAISHINがある。ここで味わえるのは、「しまなみイノシシ活用隊」のイノシシ肉。伯方島と大三島で捕獲されたイノシシを品質を落とさないように迅速、丁寧に食肉処理し、全国のレストランに出荷され、評判を呼んでいる。2017年の「日本猪祭り」の食べ比べコンテストではグランプリを受賞した折り紙つきだ。この「しまなみイノシシ活用隊」を立ち上げ、代表を務めているのが、DAISHINのオーナー渡邉秀典さんだ。

評判のイノシシ肉はどんな味がするのだろう。イノシシ肉100%のハンバーグをいただく。あえて粗挽きにしてあり、ほどよい食感と濃い旨みがたまらない。それでいてあっさり。臭みは一切ない。デミオムライスも絶品だ。スライス肉とデミソースのコクと旨みがふわとろ卵とよくあう。

「イノシシ肉は豚肉と同じ感覚で調理できます。気軽に味わってください」と渡邉さん。
TOPに戻る

身も皮も骨も利用、
命を大切にいただく

「しまなみのイノシシ肉は、いろんなジビエを知るソムリエから『脂に柑橘の香りがする』と言われたんですよ」と渡邉さん。ジビエはエサをコントロールできないため、味に差は出ないとされる。しかし、しまなみは柑橘の産地。みかんを食べて育ったイノシシ(もちろん勝手にだが)は、脂に香りがのると考えられている。

実は渡邉さんは柑橘農家でもあり、その被害に困っていた。猟師に捕獲してもらっても、その後の解体が大変。そこでビジネスとしての仕組みを作り、奪った命を無駄にしないため資源として活用しようと考えたのだ。農家や猟友会、移住者などに声をかけ、「しまなみイノシシ活用隊」の活動が始まった。

現在は肉だけでなく、革はレザークラフトに、骨はラーメンに使用され、ファンも多い。さらに活用の幅を広げようと模索中で、ますます目が離せない。

黒い外壁がおしゃれ。ガラス張りの窓から緑や光が差し込み、居心地が良い。
目の前で調理してくれ、カジュアルな雰囲気でジビエと気構えずに味わえる。
「イノシシ デミオムライス」1,050円。デミオムライスとハンバーグを食べたい人には、「イノシシデミオムライス ハンバーグのせ」1,350円がおすすめ。

DAISHIN

「しまなみイノシシ活用隊」のアンテナショップ的な店。珍しい生ハムなどの加工品や生肉、イノシシ革のオブジェなども販売。

住所/愛媛県今治市大三島町宮浦3324-8
TEL/0897-82-0638
営業時間/11:30~15:30
定休日/月~金曜日 ※土日祝日のみ営業
駐車場/あり
TOPに戻る

個性が光るイノシシ革小物

「しまなみイノシシ活用隊」のイノシシ革で小物を手づくりしている工房「Jishac」を訪ねた。ギャラリーには、財布、ポーチ、キーホルダー、オブジェなど豊富な種類、カラーの小物が並んでいる。

作っているのは、「地方でモノづくりがしたい」と大三島に移住した重信幹広さんとRUIさん夫妻。「しまなみイノシシ活用隊」がイノシシの活用を進めていることを知り、自らもメンバーとなり、イノシシ皮の下処理にあたっている。

イノシシ革の魅力は天然素材ならではの風合い。個体によって傷や質感、色の出方が違い、それを生かしたデザインが面白い。弾力、通気性に優れ、メンテナンスいらずなのも嬉しい。一度使ったら手放せなくなりそうだ。

裁断から縫製まで、革の個性、質感を確かめながら全て手作業で行う。
WORKSHOP
ワイルドキーホルダー作りにチャレンジ!

事前予約のワークショップで6種類から選べるレザークラフト体験が楽しめます。

①好きな革とパーツを選び、穴を空ける
②折り目をつけ、焼き印を入れる。
③金具をつけて完成。
④完成品と道具と一緒に記念撮影。
Jishac(ジシャク)

工房名には、自分の尺度で工夫して使ってほしい、磁石のように共感して引きつけられるものであってほしいという願いが込められている。商品はDAISHINなどのショップやHPでも購入できる。

住所/愛媛県今治市上浦町盛2036 TEL/090-1856-0965
営業時間/不定 定休日/不定休 ※訪れる場合は半日前までに連絡要。
料金/【ワークショップ】ワイルドキーホルダー1,300円(所要時間約15分)など。 ※事前の予約要。
駐車場/盛港に無料駐車場あり

TOPに戻る