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せとうち島めぐり

生口島

広島県尾道市

歴史とアートの瀬戸田、商店街を起点に巡ろう!

しまなみ海道の中心に位置し、レモンの生産量日本一として知られる生口島は、かつて海運業や製塩業が盛んで、「潮待ち港」「塩の町」であった瀬戸田を中心に発展してきました。昔から多くの船が往来し、瀬戸田港から続く現在の〝しおまち商店街〟は、昭和30年代をピークにとても活気があったそうです。

その後、人口減少などによって、数年前までは人通りがまばらで寂しげな雰囲気がありましたが、今、再び盛り上がりを見せています。まず、商店街の通り沿いに、江戸時代の豪商・堀内家の旧邸を活用した高級日本旅館「AZUMI SETODA」がオープン。併設する大浴場の「YUBUNE」は、島の人や日帰り観光客も楽しめます。そして、港側の商店街入り口には、宿泊や飲食などができる複合施設「SOIL SETODA」もオープンしました。

ところで、瀬戸田は日本を代表する画家・平山郁夫の生まれ故郷。港側から商店街を抜けた近くに、平山郁夫美術館があります。平山先生の絵画を通して、在りし日の瀬戸田の風景を感じることができます。島の中にも、しまなみ海道が開通した記念に描かれた水彩素描画「しまなみ海道五十三次」の〝スケッチポイント〟にオブジェが設置されているので、サイクリングしながら巡るのもおすすめ。

平山郁夫が幼少期によく訪れていたという向上寺は、室町時代に創建された曹洞宗の寺院。瀬戸田の小高い山の上にあります。石の階段を上っていくと、日本家屋の連なる情緒的な瀬戸田の景色が眼下に広がります。山頂には、国宝の美しい三重塔が建ち、優しい佇まいに癒されるはず。

しおまち商店街を起点に、歴史とアートをのんびりと巡ってみてはいかがでしょう?

瀬戸田の港
瀬戸田を見守る向上寺の三重塔

シマトリセツ

小林 希さん

取材・写真・文 小林 希さん

旅作家・元編集者。著書に『週末島旅』(幻冬舎)や『週末海外』『大人のアクティビティ!』(ワニブックス)など。2014年に広島(香川県)で島の有志と『島プロジェクト』を立ち上げ「ゲストハウスひるねこ」をオープン。2019年に(一社)日本旅客船協会の船旅アンバサダーに就任。産経新聞などで連載中。2022年に本四高速のせとうちアンバサダーに就任。

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