
クリーンアップ活動に参加し、日常生活からレジ袋やペットボトルの使用を止め、ゴミを外に捨てない、落ちていたら拾うように行動が変化したという声が多い。
NPO法人アーキペラゴでは、2009年から瀬戸内海を中心に海ゴミ問題に取り組んでいます。きっかけは、瀬戸内国際芸術祭です。島を訪れる観光客にゴミだらけの浜辺を見せるわけにはいかないと、会場となる島をリレーしてクリーンアップ活動を展開しました。そのなかで国や香川県といった行政、民間企業からも声がかかり、一緒に活動。教材の制作、海ゴミ専門家による講演会も行っています。
また、アーキペラゴの主催事業として、離島も含めたいろいろな場所で海ごみの回収だけでなく、調査研究に取り組んでいます。昨年11月には粟島でも実施しました。実は海ゴミが多いのは、人が行かないような危険な場所と離島。離島は行き帰りの時間や費用がかかり、ゴミを持ち帰るのにも制約があり、気軽に実施できない団体が多いんですね。
調査研究では、ICC(International Coastal Cleanup)という世界100カ国以上で使用されているデータシートを活用し、回収ゴミの内容を分析。ペットボトルの本体、キャップ、レジ袋、たばこのフィルターなど品目に分け、個数を調べます。どういう種類のゴミが多いかがわかると発生源の気づきになり、抑制につながります。
ボランティアの参加者には子どもも多く、使命感に燃え、どんどん回収し、報告に来てくれますね。海ゴミ講座も行い、瀬戸内海の海ゴミの半分以上が太平洋に流出し、世界の野生生物に影響を与えていることを話すと、真剣に聞いてくれます。継続して参加し、成長して海ゴミリーダーになって戻って来てくれる子もいて嬉しいです。
また、活動仲間を増やすために海ゴミリーダー養成講座を開催し、地域、職域、PTAなどで活動するときのノウハウを伝え、実際の活動もサポートしています。ペットボトルの使用削減を目指し、マイボトル、マイカップの持参も推進。香川県内で水、お湯の補給ができる場所の情報を発信しています。
さまざまな活動を今後も展開していきます。随時ホームページに情報を掲載しますので、多くの方に参加していただきたいと願っています。
●お問い合わせ:NPO法人アーキペラゴ http://www.archipelago.or.jp/
三豊市は香川県西部にあり、父母ヶ浜や瀬戸内の島々など美しく、豊かな自然があります。SDGsへの取り組みを通じてその魅力を発信し、多くの方々に来ていただきたいと考えています。
そのひとつが、タラオセアンジャパンとの活動です。タラオセアンジャパンは、ファッションブランド「アニエスベー」が支援するフランスの非営利団体「Tara Océan財団」の日本事務局です。「Tara Océan財団」では、科学探査船タラ号で世界の海を周り、海洋環境の調査活動を行っています。船には、船長、科学者、エンジニア、料理人のほかに、アーティストが乗船しているのが特徴。科学者が調査・研究し、発表した論文は、どうしても難しい内容になってしまいます。
そこで、アーティストならではの視点、感性で作品にして発表してもらい、幅広い人に海洋環境について考えてもらおうというものです。作品は、2019年開催の瀬戸内国際芸術祭において、粟島の粟島海洋記念館で公開。現在、粟島海洋記念館は耐震工事で立入禁止となっているため、粟島芸術家村に一部移して展示を行っています。
このほかにも、ビーチクリーン活動や、地球環境問題に関心を持つきっかけとなるポスターコンクールも行っています。
もうひとつの取り組みは、「グリーンスローモビリティ」の粟島での運行です。「グリーンスローモビリティ」は、時速20㎞未満で、環境に優しく、ゆっくり走る電気自動車です。現在は実証実験という形で、週4日(月・水・金・土)、島内を運行。粟島は移動手段が限られているため、島民だけでなく、観光客も利用でき便利です。
このほかにも、「みとよSDGs推進パートナー」として、一緒にSDGsの達成や普及推進に向けて取り組んでいただける企業、団体を募集しています。
今後もさまざまな活動を行っていきます。情報は三豊市のホームページでお知らせします。
●お問い合わせ:三豊市産業政策課 https://www.city.mitoyo.lg.jp
JB本四高速は、本州と四国を結ぶ3ルートの運営を担い、瀬戸内に軸足を置く「瀬戸内企業」です。本州と四国の交流を図り、瀬戸内地域の活性化に貢献するため、さまざまな取り組みを行っています。
その一環として「せとうち島塾」を開講。第1回目はJB本四高速の新入社員が参加しました。当日は、塩飽諸島の現状を知る講師を迎え、人口減少や医療・教育・インフラ整備の必要性などの課題を理解。香川県丸亀市沖の広島を訪れ、島の方々と交流しながら、クリーンウォーク(登山道清掃)やビーチコーミング(海ゴミ調査)を行いました。参加者からは、「現地に赴き、島が抱える課題が深刻だと実感した」「瀬戸内の人々の快適な生活や島を訪れる人のために本四高速に求められるものは何か」などの感想が寄せられ、SDGsを考えるきっかけとなりました。
今後も島を取り巻く課題や環境問題を見つめ、島それぞれの魅力を活かした取り組みを進めて参ります。皆様も、ぜひ島を訪れてみてください。