
太平洋を再現した「綿津見の景」の巨大水槽は、幅11m、高さ5.5mと四国最大。他にも太平洋ゾーンには「海中のお花畑の景」として、カラフルなサンゴが群生する様子が展示されている。
四国の水の中の景色はなんて豊かで美しいのだろう。四国水族館では、生き物だけでなく、住んでいる環境までも再現され、好奇心を刺激される。
巨大水槽「綿津見の景」に広がっているのは、黒潮が流れる太平洋。悠々と泳ぐエイや、アジなどが群れをなして回遊し、迫力満点だ。水面から光が降り注ぎ、底にいくほど濃くなる水の青も美しい。
水槽の形状や光の演出など見せ方にこだわり、臨場感あふれる体験ができるのも楽しい。「渦潮の景」では、鳴門海峡のうずしおの中に入った気分で、潮流にもまれる魚を眺められる。「神無月の景」では頭上に水槽があり、アカシュモクザメの魚影だけが見え、ハンマーのような頭部の形がくっきりわかる。四万十川や仁淀川の上流部をイメージした「魚止めの景」では、水しぶきを上げて滝が落ち、アマゴたちが気持ちよさそうに泳いでいる。
また、人間の暮らしとともにある水景を再現しているのもここならでは。瀬戸内海側は雨が少なく、ため池が多いが、水路を引いた田んぼに住むメダカやドジョウに日本の原風景を感じる。
クライマックスは、イルカのプログラム。眼前に広がる瀬戸内海と一体化するようにプールが作られ、雄大な海を背にジャンプする姿はダイナミック。夏は夜間営業が行われ、水平線に沈む夕日に染まって泳ぐイルカから目が離せない。
子どもも大人も楽しめる水族館。瀬戸内海を望む開放的なデッキで、四国グルメも味わえる。デッキの後ろには、高松藩第5代藩主松平頼恭の命で作られた水生動物図鑑「衆鱗図」が壁画として展示されている。