斜張橋スプリング沓(しゅう)点検のご紹介

少し難しい内容かもしれませんが、瀬戸大橋の斜張橋スプリング沓の点検についてご紹介したいと思います。

櫃石島橋と岩黒島橋には、地震による橋桁の揺れを抑える役割を担っている橋の部材(耐震固定装置)が橋桁両端の橋脚にそれぞれ2基、両橋で8基設置されています。

 

耐震固定装置の構造は、橋桁の揺れを抑えるスプリング沓と、スプリング沓と橋桁をつなぐ三角リンク及びエンドリンクにより構成されています

 

このスプリング沓の中には、「皿ばね」と呼ばれる橋桁の揺れを抑える部材と一緒にタービン油10KL(ドラム缶50本分)が入れられていて、オイルバスと呼ばれる金属を油の中にいれて錆から守る方法が採用されています。【2017年に日本ばね学会の「ばね技術遺産」に認定されました。】

このスプリング沓に入っているタービン油の量は、法律によって規制を受ける基準量を超えていることから、スプリング沓の構造物は法的には危険物取扱所の扱いとなります。

 

そのためスプリング沓の維持管理に当たっては、法令に基づき該当する危険物取扱者の資格を有し、6ヶ月以上危険物取扱いの実務経験を有する者を危険物保安監督者として定めています。

坂出管理センターではこの監督者の下、1年に2回の定期点検でオイルの量等についての点検や防油堤(万が一スプリング沓内の油が漏れ出た際に、周囲へ流出するのを防ぐ堤防)内に溜まった滞水の排出などを行っています。

瀬戸大橋の供用開始から31年となりますが、今後も適切に瀬戸大橋の維持管理に努めてまいります。

 

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