【新春企画】瀬戸大橋を守る~軌陸車による点検・補修用作業車の夜間点検~

みなさま、新年あけましておめでとうございます。

本年は、1988年(昭和63年)4月に瀬戸大橋が開通し、本州と四国が初めて陸続きとなってから35年を向かえる節目の年となります。

JB本四高速グループでは、本年もお客様に「安全・安心・快適」な道路サービスをご提供するため、日々取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

今回は、新春企画として、私たち社員でも日頃目にすることができない、貴重な点検作業のシーンをお届けしたいと思います!

 


 

~はじめに~

瀬戸大橋とその前後の区間は、上に高速道路(瀬戸中央自動車道)、下に鉄道(JR瀬戸大橋線)が通る2階建ての構造が、約13kmにわたって続く世界でも珍しい路線です(そのうち、海上の区間は約9.4kmあります)。

 

私たちJB本四高速グループでは、瀬戸大橋の道路の部分にあたる2階部分についても、日々点検や補修を行っています。ところが、2階部分は線路の上にあることから、走行する列車や、電車が使用する高圧電線が行き交っており、うかつに近づくことができません。これを解決するために、瀬戸大橋の中には「桁内面作業車」が数多く設置されており、鉄道事業者のJR四国さんとのお約束(協定)のもと、これらを駆使して点検・補修を行っています。

 

ところで、瀬戸大橋の四国側(香川県)に入ってすぐのところに、埋立て地に延びる約3kmの長い高架橋「番の州高架橋(ばんのすこうかきょう)」があり、こちらも高速道路と鉄道が上下にある2階建て構造になっています。

 

この区間についても、線路の上に専用の作業車が設置されていて、同じように点検・補修を行っているのですが、今回は、その「作業車を安全に使用するために“作業車を点検する”」様子をお届けいたします!

 

~点検風景~

作業車は、線路の上に設置されているので、列車が運行している日中には近づくことができません。そのため、列車の運行が終わったあとに、線路に入り、作業車の下から接近していきます。作業車に近づくために、道路と線路のどちらも走ることができる、リフトの付いた専用の車「軌陸車(きりくしゃ)」を使っています。この黄色い軌陸車は、2021年に本四高速が新たに購入したもので、2022年から本格的に使用が始まった新車となります!(これまでは、JR四国さんにお借りしていました)

※軌陸車は、道路と線路両方を走れる車両全般を指しますので、厳密にはリフトが付いたものに限りません

 

 

 

星空のもと、列車の通過を待ち、いよいよ線路の中へ入っていきます・・・!

与島(よしま)にある専用の入口から、線路に対して直角に入り、線路を走るための専用の車輪(鉄輪)を下ろして、その場でくるっと90度回転!線路に載っかります。

 

線路を走行して現場に到着すると、リフトを展開するための脚(アウトリガー)を張り出し、いよいよ点検作業が始まります。

脚(アウトリガー)は、軌陸車の前後左右に4本あり、作業中に軌陸車が動き出したり、転倒したりしないよう、その場でしっかり踏ん張る役割をしています。アウトリガーの前後には、道路を走るためのタイヤと、線路を走るための鉄輪も、それぞれ4つずつ付いており、どちらも走行できるようになっています。

 

点検の様子を、いくつかのアングルでお届けします!

高圧電線をかわしながら、リフトを作業車に近づけ、手で触れながら点検を行っていきます。

 

この日は2022年度に予定していた作業車点検の最終日。先ほどの1台の作業を無事に終えたあとは、次回の下見を済ませつつ、与島へと戻りました。

線路から軌陸車自身が持ち上がり、人の手で90度回転。地面に下ろして、今度は車のタイヤで走行し、退場していきます。

月明かりのもと、もう一度瀬戸大橋を渡って、車庫へと戻っていきます。お疲れ様でした。

 


 

このような軌陸車を使った線路からの点検も、瀬戸大橋ならではの光景です。

今後も引き続き、これらの作業車や軌陸車をフル活用しながら、適切な維持管理に努めてまいります。

 

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