本四技報 HONSHI TECHNICAL REPORT

Vol.16 No.61 1992.1

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【巻頭言】Prefatory note

  • "道路技術の分野でも国際貢献を"

    The needs of International Servicies on Road Engineerings

    荻原浩

    Hiroshi Hagiwara

【技術論文】Technical report

  • 高力皿ボルトを使用した鋼床版現場継手の特性

    Fatigue Performance of Flush High Strength Bolted Joint for Steel Deck Plate

    奥川淳志・高城信彦・大江慎一

    Atushi Okukawa, Nobuhiko Takagi, Shinichi Ohe

    鋼床版現場継手にボルト継手を用いる場合の最大の欠点は、鋼床版上面に突出するボルト頭部と添接板が鋼床版舗装に悪影響を及ぼすことである。これらを解決する方法としては、鋼床版下面にのみ添接板を用いて打込式高力皿ボルトを用いる継手や、両面添接板を用いて摩擦接合の高力皿ボルトを用いる継手がある。

    このような高力皿ボルトを用いた継手の静的特性と疲労強度を実験的に検討し、十分に実用的な強度を有することを確認した。

  • 吊橋ケーブルの防食方法の検討

    Anti-Corrosion Study for the Cable System of the Suspension Bridge

    保田雅彦・鈴木周一・木村一也

    Masahiko Yasuda, Shuichi Suzuki, Kazuya Kimura

    明石海峡大橋の主ケーブルについてより確実で合理的な防食方法検討のため、数多くの古い吊橋を有し、維持管理、調査等の、実績のある米国の、「A&W」社にコンサルティング業務として発注した。本報文は、その内容の概要を紹介したものであり、①海外吊橋ケーブル(約20橋)の腐食に関する調査、資料収集、②エキスパートシステムを用いたケーブル腐食要因の分析・評価、③ケーブル防食方法の提案等である。

  • 尾道大橋塗装工事

    Paintingwork of Onomichi Bridge

    上原靖視・古家和彦・杉山剛史

    Yasumi Uehara, Kazuhiko Huruya, Takeshi Sugiyama

    耐候性鋼材をフタル酸樹脂系塗装で防食し供用23年を経過した標記斜張橋の塗替塗装計画では、目視観察による塗膜調査やゴバン目試験、塗膜厚測定、インピーダンス測定を行い塗膜劣化の程度を定性的かつ定量的に把握した。塗装仕様の選定には、現橋塗膜上に3種類の仕様で試験塗装し、付着力強度を測定、現塗膜に対し膨潤作用の無いことを確認してエポキシ・ポリウレタン樹脂系に変更、耐久性の向上を目指した。塗装作業足場には、既製のデッキ型ゴンドラと単管吊足場の併用で主塔に対処し、ケーブルには索道装置にチェア型ゴンドラを吊下げ使用した。主桁の塗装には高所における安全作業の確保に十分配慮し、移動機能を備えた新形式の作業床を開発し用いた。塗替作業は1991年度末、完成の予定である。

  • 因島大橋塗膜調査

    Survey of coating film on Innoshima Bridge

    山本紀夫・古家和彦・杉山剛史

    Norio Yamamoto, Kazuhiko Furuya, Takeshi Sugiyama

    因島大橋は、開通以来7年が経過しており、当初計画の塗り替え時期に来ている。しかし、現在までの調査や点検の結果では、塗膜は健全であり、現時点から塗り替えを開始する必要があるのかどうか、また、橋梁全体としての塗膜の劣化状況はどうなっているのかを調査することとした。

    調査は、今回の塗装系が表層(ポリウタレン樹脂)からの損耗劣化と言うことに着目して、塗膜厚の初期値が確認されていないいと言う問題点も踏まえ、塗膜厚測定を中心に、チョーキングテスト、光沢度測定、アドヒージョンテスト、EPMA分析、供試体による促進試験を行った。これらの調査結果と塗膜寿命の推定についての報告である。

  • 生口橋の管理用電気通信施設

    Traffic Control system of Electronics facility of the Ikuchi Bridge

    山中清

    Kiyoshi Yamanaka

    生口橋の田熊仮出入口と因島インターチェンジとの間は、当分の間道路の供用が行われないため、管理用の電気通信施設として光ケーブル又は通信ケーブル等の布設を行うことは不可能なため、無線による通信回線を構築した。

    管理を担当する向島管理事務所と洲江料金所の間に12GHz帯PCM-4PSK方式による伝送路を開設し、生口橋2P、3P塔頂部に設置したITVカメラを2チャンネル同時に伝送するほか、情報収集としては気象情報、非常電話からの通報、各種照明施設の点灯監視、情報提供としては、可変道路情報板、可変速度規制標識、スピーカによる警告放送、航空障害灯や航路灯などの航行安全施設の監視、各施設の電源情報等一括して伝送する。

  • 多々羅大橋海峡部地質調査

    Geological Survey of Bedrock under Tatara Bridge's Foundation

    山本茂樹・小野下武・岡本正美

    Sigeki Yamamoto, Takeshi Onoshita, Masami Okamoto

    多々羅大橋は、橋長1480m・中央径間890mの長大斜張橋で計画されている。調査は橋梁形式・平面及び縦断線形・基礎位置などを考慮して1Aから4Pにいたる各基礎位置の地質精査を行った。本報文は、このうち海上に構築される主塔基礎位置海域での海底地形・潮流及び地質精査結果からの各設計地盤定数について述べている。設計地盤定数のうち、特に耐震設計上問題となる動的変形特性のひずみレベルと弾性係数及び減衰定数などの関係については、調査結果をもとに行ったが、現位置での確認が不可欠である。このため大規模載荷試験を類似した因島において平成2年10月~平成3年2月に実施し、これら試験結果と工学的性質についてはさらに研究を行っていきたいと考えている。

【海外報告】Overseas report

  • 米国の道路関連事業に関する調査報告

    Report of Highway related Industry in America

    谷中幸和

    Yukikazu Yanaka

【技術ニュース】Technical news