本四高速BCP(地震版)

本四高速BCP(地震版)について

平成22年04月09日
本州四国連絡高速道路株式会社

当社では、平成7年1月の阪神・淡路大震災、平成13年3月の芸予地震において大きな被害を受けた経験も踏まえ、地震・津波による災害発生時であっても、二次災害を防止するとともに早期に交通路を確保するため、「本州四国連絡高速道路株式会社事業継続計画(BCP)地震版)」(以下「本四高速BCP(地震版)」といいます。)を策定しました。

策定は、平成20年度から本社版に着手し、このたび6管理センターも含めた当社全体のBCPが完成しましたので、お知らせいたします。 本四高速BCP(地震版)の概要は以下のとおりです。

1. 基本的事項

(1)災害の想定

本四高速BCP(地震版)は、瀬戸内海周辺の活断層を震源とする直下型地震や海溝型の東南海・南海地震とこれに伴う津波の発生を災害事象として想定しています。

(2)位置付け

本四高速BCP(地震版)は、当社が代替性の乏しい本四間の高速道路サービスを提供する、という重要な業務を担っていることから、策定に当たっては、

  • 人命を始めとする安全の確保と二次災害の防止
  • 災害時の緊急交通路機能の確保による災害救助、災害復旧への貢献
  • 代替性の乏しい本四間交通の確保による地域経済復興への貢献

を柱としています。

これらを実現するため、本四高速BCP(地震版)においては、迅速な必要な人員の参集や、情報の的確な収集・整理・提供、及び通行止め、点検の実施と交通路の応急復旧に重点的に取り組むこととしています。

(3)行動原則

本四高速BCP(地震版)は、災害発生後の混乱時に社員間の連絡が取れない場合等も想定し、災害発生と同時に自動的に発令され、役員・社員が自主的に行動を開始することとしています。

(4)見直し等

本四高速BCP(地震版)の内容については、今後の災害対策の措置状況等を踏まえ、国、地方公共団体等の関係機関とも連携しながら、定期的・継続的に見直しすることとしています。

2. 災害対策業務(災害後行動)

災害発生後に安全の確保と交通路の早期復旧を可能とするため、最優先業務を「人命救助」、「二次災害防止」及び「応急復旧による緊急交通路の確保」とした上で、具体的な災害対策活動を以下のとおり時系列目標(1日(1・3・12・24時間)、3日、7日)で定めています。

災害後行動のうち最優先業務その他の重要業務(総括表)
<最優先事項:人命救助、二次災害防止、応急復旧による緊急交通路の確保>

目標時間 対策活動業務 具体的行動
実施体制の確立等 最優先業務 その他の重要業務
直ちに 管制による通行止め   管制による情報板での通行止め  
1時間以内 ●通行止め
●情報(第1報)の発信
●対策本部設置
・非常参集要員の参集
(勤務時間外)
・社屋の緊急点検等
(救護活動含む)
・対策本部・現地対策本部の設置
・通行止め
・情報収集
・関係機関への情報提供(第1報)
・報道機関への情報発信
・社員・家族の安否確認
3時間以内 ●状況の把握
●広報
・社員の参集状況把握
・初動体制の確立
・被災者対応(救護活動含む)
・本線上・料金所・システム等の状況把握
・記者発表
・お客様への情報発信
12時間以内 ●道路上の障害物等の除去   ・残存車両の排除
・障害物排除及び二次災害防止
・路下の状況把握
・緊急輸送車両の通行準備開始
24時間以内(1日以内) ●最低限の緊急交通路確保
(路面の段差解消等)
  ・応急復旧工事の実施
・交通の安全を確認後に緊急
交通路としての通行を開始
 
3日以内 ●段階的復旧に着手
●本復旧計画の策定
  ・段階的復旧に着手
・本復旧点検の実施
・本復旧計画の策定
・社屋の詳細点検等の実施
・帰宅困難者の支援
・災害復旧情報とりまとめ
7日以内 ●本復旧工事の着手   ・本復旧工事に係る関係機関との協議、工事の着手 ・復旧事業申請に係る手続き

※1 この表は災害後行動のうち特に重要な部分を抜粋したものです
※2 この表は、勤務時間内での目標時間を示しており、勤務時間外では、参集に時間を要するため、1時間~3時間以内の初動が1時間~2時間程度延びます。

3. 現状と代替え策及び事前対策計画

災害発生時における損害を最小限にとどめ、かつ、交通路の早期復旧を可能とするために、事前に行うべき活動や対策を以下のとおり定めています。

(1)BCP時の非常参集要員の設定

夜間・休日等に災害が発生した場合にも速やかに対策業務を開始できるよう、社員の中から「非常参集要員」を設定。

(2)権限代行順の設定

対策本部長が参集できない場合でも、災害発生時に速やかに対策本部等を設置し対策業務を行うため、その権限を代行する者と順序をあらかじめ設定。

(3)社屋・設備・通信手段の確認等

各社屋の耐震性能や通信手段及び非常用電源設備の状況を確認。また、災害発生時にも内部及び外部との連絡を可能とする多様な通信手段を確保する。さらに、通信システムを二重化し、データのバックアップ体制を構築。

(4)非常食、什器備品等の確保

災害発生後に非常参集要員が3日間活動可能な水・食糧を確保。寝具や簡易トイレ等も用意。

(5)災害協定締結先、関係機関、グループ会社等との連携

災害発生時に災害協定締結先等と速やかかつ円滑に連携して対策業務ができるよう、体制を構築し、複数の連絡手段を設定するとともに、連携内容や連絡先を整理。

(6)BCP訓練の実施

社内でBCPの内容の浸透を図り、災害発生時には全役員・社員が迅速かつ適切に行動できるよう、定期的に訓練・講習会を実施。