今治城吹揚神社の継獅子
5月3日の神宮野間神社の継獅子の様子を当ブログで紹介しましたが、今回は今治城内吹揚(ふきあげ)神社へ奉納される継獅子を見に行きました。
今治市の継ぎ獅子マップには10時からとなっていましたが、神事や 神輿(みこし)の宮出しなどがありそうなので早めに到着しました。
お城の前の藤堂高虎像のある広場につくとお祭りを知らせる花火を打ち上げる音がしました。
天守閣の横にある吹揚神社の境内には祭りの法被を着た人たちが集まっています。 出発前に神事が行われるようです。
神事を終えて神輿が出て行きます。木遣(きや)り歌が歌われ神輿が門をくぐっていきます。
神輿が動き始めると天守閣の前に控えていた寿太鼓保存会の太鼓が演奏を始めました。
二の丸跡の広場へ神事を終えた神輿が一旦集まります。
神輿や山車(だし)は夕方に宮入りするまで丸一日外を練り歩きます。
神輿がスタートする前にもう一度木遣り歌が歌われました。
「若い衆頼んだぞ」の声で神輿がスタートしていきます。
神輿を送り出す際の舞でしょうか、市内より奉納に来て待機していた波方(なみかた)町樋口潮早(ひのくちしおはや)神社樋口獅子舞保存会、波方町波方玉生(たもう)八幡神社波方青年獅子連中による舞が始まりました。
太鼓と踊りをバックに神輿は今治城から出ていきますが、観客は獅子舞の方にも注目したいし、なかなか忙しいです。
獅子が神輿を送り出したのち、各種の演舞が行われました。
二組の獅子舞の会が同時にそれぞれのことを行うので見ている方はどちらを観ようか悩むところです。
天狗による悪魔祓い、ひょっとこ、獅子のノミ取りといった昨年鳥生八幡神社でみた演舞をここでもみることができました。テーマは同じでも踊りや演出等はそれぞれでことなるようです。解説等はありませんが、いろいろと見比べていると地域や観客の日々の安全、健康、豊穣、子孫繁栄などを祈願していることが小道具や踊りから伝わってきます。
継獅子の演舞に入ります。はじめは子供を肩に立たせた2人での継獅子ですが、この状態でしゃがんだりちょっとはねたりぐるぐる歩き回ったりと躍動感があります。さらに上の子供が足に扇子を挟んで上げてポーズを決めたりします。
2つの獅子舞の会が同時に行っているので会場に4匹の獅子が舞っていて賑やかです。
今年は2組の奉納でしたが、かつてはかなりたくさんの獅子舞の会が今治城で演舞をしたときもあったとのことです。壮観だったと思われます。
さらに三継獅子が始まります。今度は歩き回ることはありませんが、一段高くなっても一番上では、扇子や神楽鈴、紙テープなどを用いたさきほどと同様の演舞が一通り行われました。
三継獅子の最後には一番上の獅子の面から伸びている布が広げられ大きな獅子の姿になり舞が舞われました。
この後クライマックスと思われる四継獅子です。
青空のもとで緊張が高まります。
ここまで2つの獅子舞の会が同時に演じていましたが、ここからは交互に行います。
動きやすくするためでしょうか先ほどまでより衣装が少しシンプルです。
肩車をしている人の下に人が入ってたちあがっていき順に高くなります。
4人の肩車になったところから間の人が立ち上がり四継獅子となりました。
この状態で四方にいる観客を一通り見渡すためにゆっくりとその場で一周しました。
波方青年獅子連中では五継獅子まで披露されました。さすがに間の2人はたちませんでしたが、かなりの重量であろうと思われます。
緊張感で息詰まる継獅子のあとは、獅子の上で子供が餅をつきながら菓子まきが行われました。
すべての演目が終わり、片づけにはいりました。年長の方に話しかけて聞いてみたところ、今日来ているどちらの獅子舞の会も本拠地は波方町で、自分たちの神社(波方玉生八幡神社、樋口潮早神社)では次週祭を行うということでした。
また、今治城のあとで市内の店舗やショッピングセンター等にも呼ばれており、この日は夜までに十数回継獅子を行うということでした。樋口獅子舞保存会の方がタイムテーブルを見せてくださったので、時間をメモしておきこの日はさらに2箇所で伝統の技を堪能させていただきました。ショッピングセンターの吹き抜けがある場所は、継獅子だけでなく、ダイナミックなステップの獅子舞が階段を駆け上がって二階の観客のところまで行くというパワフルな演舞にびっくりしました。
市の今治市継ぎ獅子マップでは今治城での時間しか載っていませんでしたが、その後街中のあちこちでもみることができ感激です。
商店街を散策していて音がする方に行ってみると寿太鼓や神輿が通過していくのも見ることができました。
街中で継獅子が見られることを知らずに偶然見てびっくりした人もいるのではないでしょうか。
夕方改めて今治城に行き、市内をまわってきた神輿を待ちました。
多くの人が集まっています。
寿太鼓の会により、宮入りを迎える太鼓が演奏され、神輿が帰ってきて集まっている人々に餅巻きが行われました。
地域を愛し密着し、地域の人々から愛されるお祭りは見ていると心が洗われるようです。
今治の継獅子は毎年5月の春の祭りであちこちで行われています。
また別の機会を見つけて、別の神社での継獅子を紹介させていただこうと思います。