「車座しまなみトーク!冬の会」
平成28年1月24日(日)、大三島の上浦歴史民俗資料館で「車座しまなみトーク!冬の会」が開催されました。この「車座しまなみトーク!」は「大三島を日本でいちばん住みたい島にするプロジェクト2015」のイベントで、今回で5回目となります。今回は『日本で一番住みたい島にするために』というテーマでの開催でした。以前の「車座しまなみトーク!」については、過去のイベントを紹介しているページをご覧ください。http://www.tima-imabari.jp/event/past_event/
前半は、瀬戸内海の他の島からのゲスト3名と大三島在住の3名の活動についてお話がありました。
愛媛県中島【松山市中島】の田中さんは、中島に移住し農業をしながら移住促進等の活動を行っています。
香川県豊島(てしま)【小豆郡土生町】の藤崎さんは、『島キッチン』での活動についてお話しされました。
山口県周防大島【大島郡周防大島町】の松嶋さんは、奥様の出身地に移住されジャムの製造・販売、カフェを経営なさっています。
大三島の方は、「瀬戸内しまのわユース事務局」事務局長の菅さん、宮城県から移住された瀬戸さん、「しまなみイノシシ活用隊」の渡邉さんの3名です。それぞれの活動についてお話になりました。
菅森実さんは、進学・就職で大三島を離れた際に地元の良さを再確認し、Uターンされました。「瀬戸内しまのわユース」、「しまの学校かみうらら」で活動中です。愛媛のよいところを知ってもらおうとバスツアーを計画されたりしているそうです。
「瀬戸内しまのわユース」
瀬戸内しまのわ2014で生まれたつながりをさらに深め、地域の活性化につなげていこうと、今治市島しょ部5町と上島町の住民有志により設立された組織。
「しまの学校かみうらら」
地域の活性化のため、大三島上浦町に住む女性たちにより設立された組織。
瀬戸洋樹さんは、伊東建築塾生として大三島に来るようになり、2014年4月に大三島へ移住されました。移住してからは農業研修をされながら「みんなの家」の改装やイベントに携わったりされています。
「みんなの家」
大三島大山祇神社近くの古い建物(旧法務局)を住民や観光客の憩える場所づくりのため、伊東建築塾生らにより改装中。
渡邉さんは「しまなみイノシシ活用隊」を結成し、イノシシの捕獲・解体・加工・販売をされています。
近年、大三島でもイノシシの農作物への被害が大きくなっています。そこで、旧大三島町給食センターを借り、イノシシの解体やソーセージなどの加工品を作っているそうです。生肉等は東京のレストランなどへ販売され、高級ジビエ料理となるそうです。また、イノシシの骨で出汁をとった「猪骨ラーメン」も開発中とのことでした。
みなさん、島での生活を楽しんでいらっしゃるだけでなく、いかに活動を継続し発展させていくかを熱心に語り合っている様子がとても印象的でした。
約10分の休憩のあと、後半が始まりました。
後半では、国際的に活躍なさっているお二人が今治や大三島の魅力や将来について語られました。
岡田さんは皆さんご存じの通り元サッカー日本代表監督の岡田武史さんです。現在はFC今治のオーナーです。そのご縁で今治には月の半分くらい滞在されているそうです。今治に15,000人収容規模のスタジアム(J1チームには必要とのことです。)を建設し、ダンススタジオや医療センター等を併設する構想や、新都市に整備されたテニスコートの活用方法などをお話になりました。サッカーなどのスポーツを特化することが地元の発展につながる、特色を持った町作りが人を呼び寄せると熱く語られました。
伊東さんは、国際的に活躍されている有名な建築家です。先日の新国立競技場の技術提案で隅研吾氏と競われたことは記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。当ブログ(大三島ぶらり散歩Part1)でも紹介しましたが、その伊東さんの建築ミュージアムが大三島にあります。大三島に建築ミュージアムができることになったきっかけや大三島に家を建てるために購入した土地の話や「伊東建築塾」の活動などについてお話になりました。特に大三島の自然に惹かれたことをおっしゃっていました。
皆さんのお話を拝聴すると、島の中からはわからない魅力の発見や、新たな価値観の提示が、地元の方々を巻き込んだ新しい活動となり、地元の活性化につながっていくのだと感じました。
約4時間の講演会はその長さを感じないほどで、参加なさった方々の熱意を感じました。今後、大三島がどのように変化していくのか楽しみになりました。