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真田十勇士 猿飛佐助のふるさと今治

猿飛佐助をご存知ですか?

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猿飛佐助は真田幸村を支える真田十勇士の一人で忍術の達人です。小説、映画、ドラマ、漫画にアニメといろんな作者の作品に登場し活躍しているので実際にモデルになる人がいたのかと思っていましたが、彼は創作上の架空の人物なのでした。

 

今治市に電車や高速バスできて今治駅に到着すると駅前に雲に乗った猿飛佐助の像を見かけます。なぜだろうと思うかたも多いと思います。銅像の銘板にいわれが書かれています。

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これが気になっていたので調べてみました。

 

明治から大正にかけて講談師のお話が速記され講談本の形で出版されはじめ大衆娯楽の形が変わりつつある時代、今治市出身の山田一族が速記による講談本のスタイルを超え、雪花散人という共同ペンネームで講談のノベライズへと取り組みを始めました。作品の量産の過程で新たなキャラクターを生み出し、それまで忍術は石川五右衛門のような悪者が使うというイメージだったものを、正義の忍者猿飛佐助という主人公によるエンターテイメント性の高い作品を作り出したのです。猿飛佐助の名前は山田阿鉄(おてつ)が故郷愛媛の石鎚山系にある猿飛橋の名から取ったとされています。

 

猿飛佐助が忍術を使い飛び、幻術を使い突然消え、お城に忍び込んだり、大男を投げ飛ばしたりと荒唐無稽で無邪気な活躍は今読んでも痛快です。猿飛佐助がこの世に最初に登場したお話、立川(たつかわ)文庫第40編「真田三勇士忍術名人 猿飛佐助」を今治市立図書館の電子図書館で読むことが出来ます。( https://www.d-library.jp/bari/g0101/top/ )読んでいるうちにページが突然飛び話が見えなくなったので自分も幻術にあったかと思いましたが、初版本の乱調もそのままに電子書籍化されているとのこと。後ろのページを探して全部通して読むことができました。

 

今治市立中央図書館の郷土資料には関連文献がたくさんあり猿飛佐助を生み出した歴史を知ることができます。この創作集団の最後の一人であった池田蘭子が一家が創作集団となった数奇な運命を「女紋(おんなもん)」という作品として残しています。この本を今治市立中央図書館で借りて読みましたが、作者自身も立川文庫の執筆陣の一人でもあり、この家族の伝記も当時の今治や大阪の様子が目に浮かぶ様な描写で、登場人物が生き生きと活躍し立川文庫が大ヒットに至る展開にと終わりまで読む手を止めさせないものでした。

 

今治市立中央図書館ではこれらの資料を各種所蔵していて、猿飛佐助が登場するいろんな作品も集められ読むことができます。また、特に珍しいものについては2階のフロアで常設展示をしています。IMG_5523

館内撮影許可を頂き撮った写真です

館内撮影許可を頂き撮った写真です

 

展示コーナーでは立川文庫の現物と執筆グループの山田阿鉄、池田蘭子の写真などを見ることができます。

 

駅前の銅像の銘板には今治市内の観音禅寺(観音寺)に山田阿鉄の遺骨が葬られているとの記載があるので、ここにも行ってみました。

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お寺の門をくぐるとここにも猿飛佐助像が見えます。

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佐助像はせんとくんの作者の籔内佐斗司(やぶうちさとし)氏によるものです。

境内には籔内佐斗司氏の作品がほかにも数体飾られています。

塞の力神

塞の力神

 

山田阿鉄の遺骨が葬られているというお墓はお寺の裏にありました。

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当時はキャラクターの権利等おおらかな時代だったのでしょうか、猿飛佐助は架空の人物ですが、作者の手を離れ様々なお話しに登場し活躍をしてきたことで実在の人物以上の存在感を持ち時代を超え多くの人に親しまれたスーパーヒーローとして生き続けています。

 

真田幸村(信繁)を題材にした今年の大河ドラマ「真田丸」でも佐助は登場、今年の9月には「真田十勇士」の新作映画も控えていて猿飛佐助はさらに注目を集めそうです。

 

今治に来た時には銅像を見て猿飛佐助が石鎚山を飛び回る姿を想像してみてください。

 

 

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