30年ぶりに岩子島を訪れました
入社したころ因島大橋の建設工事の真っ最中でした。尾道の独身寮に住んでいたので、休日には、釣りや夏には海水浴にもよく行きました。当時(今もそうなのかもしれませんが)、尾道から海水浴に行くには、向島町(当時)にある海水浴場が、近場で便利でした。その中でも、最もお気に入りが岩子島(いわしじま)の海水浴場でした。
先週、向島へ行く機会があったので、久しぶりに岩子島を訪ねてみました。
向島ICから国道317号を津部田地区に向かって走ると、海岸線に出ます。ここから因島大橋ができる前に、向島と因島を結ぶフェリー乗降場がありました。そこから少し北側に向島と岩子島を隔てる御幸(みゆき)瀬戸という細い水道を渡る向島大橋が架かっていて、岩子島には気軽に渡れます。30年前にはランガー橋が1本でしたが、いつの間にか南側にもう1本並んでトラス橋がかかっています。こちらは、歩道として使われているようです。
岩子島の名称は、昔はイワシがよく回遊してきたので、鰯島というところからきているようです。また、尾道水道の西端(岩子島の北西側)には、大鯨島、小鯨島という無人島があり、鯨が回遊してきたことから名づけられたそうです。そういえば、建設中の因島大橋の上から、スナメリが泳いでいるのを見たことがあります。
岩子島は、日本有数のわけぎ(ねぎの仲間)の産地です。ねぎよりも栄養価が高く、ヌタや卵とじにして食べると美味です。この日も、青々と育った畑が見られました。
島の南側の海岸線を走っていくと、因島大橋が見えてきます。真横から眺められるスポットです。因島大橋は3径間の吊橋ですが、側径間と中央径間のバランスがよく、本四連絡橋の中でも最も美しい吊橋だと思います。
さらに海岸沿いを走っていくと、島の西側にある砂浜に辿り着きます。ここが岩子島海水浴場です。訪れたのは7月上旬なので、誰もおらず海の家も開いていなかったのですが、夏休みには、大勢のカッパたちで賑わうのでしょう。なお、海岸線沿いにも小さな砂浜が何か所かあり、そこでは小さな子連れのお母さんが水遊びをしていました。
海水浴場の隣には、浜辺に鳥居が立っている厳島神社があります。安芸の宮島のミニ版と言っては失礼ですが、似た趣の神社です。海の中にも灯篭が立っています。
拝殿は閉じられていて、さい銭箱もありませんでした。軒下になぜか赤穂浪士の絵がかけられていました。よく見ていくと、大石内蔵助も見つけました。
更に回りこむと本殿がありました。
拝殿の横には、岩子島管弦祭のポスターが貼ってありました。夜に管弦船を浮かべる、宮島で有名な祭りですが、ここでもあるんですね。去年のもののようですが、今年もあるのでしょうか?調べてみたら、今年は7月31日の日曜日にあるようです。
http://www.ononavi.jp/sightseeing/calendar/detail.html?detail_id=997&ym=201607
この神社の付近では、「男たちの大和/YAMATO」の映画ロケが行われ、蒼井優さんが訪れています。またこの映画では、日立造船向島西工場跡地に大和の原寸大ロケセットが制作され、ロケ終了後に一般公開され大人気となりました。その一部は、その後呉市にあるヤマトミュージアムに寄贈され、現在も見られるそうです。
尾道市は、大林宣彦映画監督の出身地でもあり、映画誘致に力をいれていることから、岩子島でも何本か撮影されているようです。私の記憶では、映画「ふたり」で石田ひかりさんが駅伝競走で向島大橋を走っていたシーンがあったと思います。
30年ぶりに岩子島を訪れて、ほとんど何も変わっておらず、とても懐かしい気持ちになりました。