来島海峡大橋建設に貢献したパン屋さん
1993年1月(今から23年前)に来島海峡第二大橋の基礎となる5Pケーソンが設置されました。ケーソンとは、橋の土台となる大きな型枠のことです。設置場所は、来島海峡の中水道。最大潮流は10ノット。しかも、航路には潮の流れに乗った船舶が四六時中行き交う海の難所中の難所です。この難工事に挑む、当時の社員の発想が、日常生活の中でのあることがきっかけで見事工事を成功に導いたことを「今治工事事務所史」よりご紹介します。
その、発想の原点は、地元のパン屋さんにありました。そのきっかけが写真のドーナツです。
以下、今治工事事務所史の文中からの抜粋です。
・ケーソン下部にガイドリングを取り付け、あらかじめ設置現場に取り付けたガイド杭を利用して、限られた時間内で沈設する工法を採用。
・現地条件が厳しく、ガイド杭とガイドリングの摩擦抵抗でスムーズに沈設できない懸念があった。
ここで問題解決のきっかけとなったのが、朝ご飯を買いに通勤途中によったパン屋さんで売っていた「ドーナツ」でした。ドーナツの内側は曲面です。ガイド杭の表面も鋼管杭なので当然曲面です。曲面と曲面の接点は当然点接触になり接触面積が減るので、摩擦抵抗も軽減できます。
来島海峡大橋の建設に貢献したパン屋さんは、今治市内にある「こがねパン」です。昭和28年創業で、今も商売繁盛のようです。