橋のてっぺんでピカピカ白く光っているのは何ですか?
お客様からこんな質問を受けたので、ここでも回答したいと思います。
「しまなみ海道を車で通るとき、気になっていることがあります。
橋のてっぺんで、なにやらカメラのフラッシュ(ストロボ)のようなものが白くピカピカ点いたり消えたりしているのは何ですか?」
来島海峡大橋の写真を見ると、塔頂の両端と塔の半分ぐらいの高さで、なるほど何か白く光っているのが確認できますね。(点滅しています。)
実は本当にカメラのフラッシュを大きくしたものなんですよ。
見た目はこんな感じ・・・巨大フラッシュでしょ
カメラのフラッシュも長大橋の灯具も発光部にキセノンランプを使っています。
コンデンサに蓄えられた電気を一気に流すことで、高電圧を瞬時にかけて、ビカーッ!と、まばゆい光を発しているんです。
ちなみに長大橋の灯具は光度20000~200000カンデラ、まさに「フラッシュ」
白色の光は、長大橋梁と同じく瀬戸内海の多島美にマッチしていると思いませんか?
航空障害灯というもので、「地表又は水面から60m以上の高さの物件に設置しなければならない。」と航空法で定められています。
上空を通過する飛行機などに橋の存在を示し注意喚起することで航行の安全を守っているのです。
神無月と霜月のある日、しまなみ海道の大三島橋と大島大橋の航空障害灯を更新したのですが、気づいた人はいるでしょうか?
新しい航空障害灯はキセノンランプではなく、新製品のLEDランプを採用しています。
キセノンランプでもLEDランプでも性能(光り方)は同じなので、更新されたことは、パッと見た感じでは、ほとんど気づかないでしょうね。
もし気づいた人がいるなら特殊能力の持ち主ですから自慢していいですよ。
光り方はそのままですが、ランプがLEDに変わったことで、いくつかメリットはあったんですよ。
①キセノンランプの時は、球切れによるランプ交換を毎年していました。(交換作業が結構大変)
LEDランプだと、次回灯具を更新予定の20年後まで球替え無しでいいようになりました。(安くて楽ちん)
②消費電力も小さくなり電気代が減ったのでエコです。地球に優しいです。
③灯具の形状を比べてみると箱形から円柱形に変わったことが分かりますね。
以前はカメラのフラッシュのように灯具の前面(120度)だけに発光していたものが、灯具の周り全体(360度)に発光するようになりました。
これにより灯具の数を半分に減らすことができたので、更新工事の費用も大幅に削減できたのです。
技術の進歩ってスゴイですね。
話はかわりますが、大三島橋の写真で、道路部分の側面に赤・白・緑色のランプが点灯しているのがお分かりでしょうか?(写真では分かりませんが、大島大橋や来島海峡大橋にもあります。)
これらの灯火は、橋梁灯と呼ばれるもので、橋の下を通過する船舶に対して航路や可航水域を示す、航路標識法で定める光波標識の一つです。
橋梁灯は現在シールドビームランプを使用していますが、将来灯具更新の時にはLEDランプに変わっていく予定です。
こうして長大橋を見ていくと、長大橋は島と島とを道路で安全快適に繋げているだけでなく、空と海の安全にも貢献していることで、維持管理をしている我々もその価値を再認識でき勉強になりました。
私たちの仕事を動画で紹介しています。
http://www.jb-honshi.co.jp/corp_index/company/cm/pr1.html