ケーソン製作・設置

ケーソンとは、仕上げられた岩盤の上に設置して、その内部に海中コンクリートを充填するための箱状の巨大鋼製型枠のことです。瀬戸大橋の海中基礎の構築にあたっては、現場の工事と並行して造船所のドックなどでケーソンを製作することにより工事工程の大幅な短縮が可能な、この「設置ケーソン工法」採用しました。

写真:製作

製作

瀬戸大橋では海中基礎となる11基が建造されました。写真のケーソンは幅59m、長さ75m、高さ55m、重さ約18,000tという大きなもので、造船所の海洋ドックを使い、2年近くの歳月をかけてつくられました。写真のような大型のケーソンは浮かせて曳航できるよう内部に仕切りを設け、浮体部分をつくりました。

写真:曳航(えいこう)

曳航(えいこう)

完成したケーソンはドックで進水し、タグボート12隻からなる大船団により、ゆっくり架橋地点に曳航されました。一旦、曳航を開始すれば設置までは中断することができないため、気象、海象のデータから、安定した天候が4日以上望めると判断した場合に曳航をスタートさせました。

写真:沈設

沈設

ケーソンの設置位置に到着後、あらかじめ沈設してある大型アンカー(重量900t)にケーソン上のウインチから出たワイヤーをつなぎ、潮流に耐えられるよう係留します。次いで、ウインチ操作によりケーソンの位置を調整しつつ、ケーソン内に水を入れ、ケーソンを少しずつ沈設します。最終段階では、ケーソン着底を補助するため、大型クレーン船によりケーソンを保持しつつ、姿勢を制御しながら基礎面に軟着底させました。いずれのケーソンも許容設置誤差50cm以内の精度で設置されました。