長大橋技術センター

点検・診断

ケーブルバンドボルト軸力の管理法について検討しています。

ケーブルバンドボルト管理法

吊橋のケーブルバンド(以下「バンド」という。)は鋼線の集合体である主ケーブルとハンガーロープを接続する鋳鋼製の部材であり、バンドを締め付ける複数のケーブルバンドボルト(以下「ボルト」という。)の締め付け力(軸力)で生じる摩擦力によってその位置を保持しています。ボルト軸力は時間の経過により低下することが確認されており、それによって摩擦力も低下してバンドがハンガー張力によってすべる可能性があるため、維持管理において、ボルト軸力を計測し、軸力低下が大きい場合には増し締めを行うといったボルトの軸力管理が必要になります。

ケーブルバンド(横締めタイプ)
ケーブルバンド(横締めタイプ)
バンドにおけるすべり力とすべり抵抗力
バンドにおけるすべり力とすべり抵抗力

これらの維持管理作業を軽減するため、これまで行ってきたボルト軸力やハンガー張力の計測結果を分析し、これまで包括的に「3」としていたすべりに対する安全余裕を見直し、維持管理段階での管理マニュアルを策定しました。今後は軸力低下データを取得しながら安全余裕をチェックしつつ維持管理を行っていく事としています。

一方、来島海峡大橋は他の吊橋とは異なりボルトが縦方向に締められていることから、すべりの他にもハンガー張力によるボルトの軸力変動を考慮する必要があります。ボルトに生じる軸力変動を調査するため現地で荷重車を走行させた計測なども行い、維持管理マニュアルの検討を行っています。

来島海峡大橋のケーブルバンド
来島海峡大橋のケーブルバンド
来島海峡大橋での荷重車調査
来島海峡大橋での荷重車調査

トップへ
戻る