長大橋技術センター

疲労

道路鉄道併用橋の疲労に関する管理手法の開発を行っています。

道鉄併用橋の疲労亀裂調査

瀬戸大橋などの道路鉄道併用の長大橋では、当時使用実績の少ない調質高張力鋼(SM570、HT690、HT780)が多量に使用され建設されています。一方で吊橋の補剛桁では活荷重による応力比率が高く、大きな列車荷重が繰り返し載荷されることから、知見の少ない調質高張力鋼の溶接継手等に対する疲労の研究が進められました。瀬戸大橋などの設計・製作では、それらの研究成果を用いて疲労に配慮した独自の設計基準や製作基準を制定し建設されています。

補剛桁内を貨物列車が通過している様子
補剛桁内を貨物列車が通過している様子
実物大の供試体の疲労試験ができる大型疲労試験機
実物大の供試体の疲労試験が
できる大型疲労試験機

瀬戸大橋の供用後は、製作時に確認された許容きずのランクや鋼材種別、発生応力比率などの指標から、自動超音波探傷(AUT)を用いたきずの進展調査と、その結果を用いた進展解析から橋梁の安全性を確認するなどの管理手法をとっています。

自動超音波探傷装置
自動超音波探傷装置
かど継手探傷時の探触子配置
かど継手探傷時の探触子配置

一方で、現状の鉄道荷重や列車本数など疲労に対する環境が穏やかであることを鑑みると、きずの進展は穏やかであるため、AUTによるきずの進展量調査のみによる管理では合理性に欠けることが判明しています。今後は、より精度よく疲労照査やきず評価などができる別の手法を開発することによって、道路鉄道併用橋の疲労に関する管理手法の構築を目指しているところです。

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