長大橋技術センター

疲労

塗膜を剥がずに遠隔から鋼床版の疲労亀裂を検出する手法を開発しています。

鋼床版疲労亀裂の調査法

鋼床版は、コンクリート床板と比較し軽量かつ短期間で架設することができ、設計の自由度が高いという特徴があります。そのため、明石海峡大橋をはじめとした長大橋や、架設の制約が多い都市高速などでは多く採用されている床版形式です。

近年、重交通路線を中心にいくつかのタイプの疲労亀裂が多数発見されており、本州四国連絡高速道路の鋼床版でも同様な亀裂を確認しております。これらの亀裂の特定には、従来、主に目視点検において錆汁の発生を捉え、非破壊検査による探傷によって亀裂検出が行われておりますが、近接するための足場を必要とする場合がほとんどで、遠隔から非破壊で検出する技術開発が望まれていました。

鋼床版
鋼床版

本四高速では神戸大学との共同研究において、赤外線サーモグラフィを用いた手法によりビード貫通亀裂を検出する技術を開発しました。原理的には図に示すとおりですが、塗膜を剥がずに遠隔から検出でき、更には塗膜表面の割れが伴わない亀裂も検出可能であり、高精度かつ高効率な点検手法です。また、亀裂検出に関する点検手法と判定アルゴリズムについて特許も取得しています。

温度ギャップ法の原理
温度ギャップ法の原理

膨大な量の鋼床板について、交通量や構造ディティールなどによって優先順位をつけ、赤外線サーモグラフィを用いた手法によって2015年から疲労点検を開始しました。更には、効率的に赤外線撮影が可能な装置と自動亀裂検出アルゴリズムによるに亀裂検出システムを開発し、2016年から疲労点検に導入しました。なお、これらの開発は共同研究を実施している神戸大学とJB本四高速グループ一体となって開発を行っています。

亀裂検出装置
亀裂検出装置

検出した温度異常部の赤外線(温度)画像検出した温度異常部の赤外線(温度)画像

検証

温度異常部の亀裂状況温度異常部の亀裂状況

トップへ
戻る