ケーブルの制振対策について、現地観測を通してその効果の確認を行っています。
ケーブル振動
本州四国連絡道路の多々羅大橋(中央径間890m)は、1999年に世界最大の斜張橋として完成しました。多々羅大橋のケーブルは、非常に長いことから固有振動数が著しく低く、風雨時にレインバイブレーションという振動が発生することが懸念されました。レインバイブレーションは、降雨により円形ケーブルに水みちができることで空力的に不安定な形状となって発生するケーブル振動です。
多々羅大橋
レインバイブレーション
この振動を空力的に制振するためケーブル表面に離散的な凸凹部を設けたインデントタイプのケーブルを開発し多々羅大橋のケーブルに採用しています。このインデントケーブルの開発にあたっては、風洞試験により制振効果を確認していますが、斜張橋ケーブルの風による振動現象は未解明な部分が多いこと、実橋に生じる全ての状況を風洞試験によって確認できていないことから、実橋でケーブル振動の観測を行うことでインデントケーブルの制振効果について調査を行っています。
インデントケーブル