長大橋技術センター

塗装

塗膜消耗以外の劣化要因の調査を中心に検討を実施中です。

ここでは、塗膜劣化要因分析について紹介します。

塗膜劣化要因分析

塗膜剥離への対応

上塗り塗料の耐久性が向上し、上塗り塗膜の消耗が遅くなれば、塗膜剥離が塗膜の寿命を決める可能性が増すため、剥離の要因調査や剥離に対する塗膜寿命の評価方法を検討しています。

上塗りの剥離

外面塗装仕様
外面塗装仕様
上塗りの剥離例
上塗りの剥離例

これまでの調査において、塩素が中塗り層まで浸透していることが明らかとなっており、これが上塗りと中塗りの層間剥離の要因として考えられました。そこで塩化物由来の劣化因子(塩酸等)による劣化促進塗膜と実橋劣化塗膜を赤外線分光試験(顕微ATR法)により比較し、劣化要因を調査した結果、スペクトルは塩酸が作用した塗膜と類似していることが明らかとなりました。剥離要因については、さらなる調査を継続しています。

劣化促進塗膜
劣化促進塗膜

赤外線分光試験
赤外線分光試験

無機ジンクリッチペイント層の剥離

外面塗装仕様
外面塗装仕様
無機ジンク層の剥離例
無機ジンク層の剥離例

無機ジンク層の剥離(写真上)を確認した近辺の塗膜を採取しX線回折試験を実施した結果、右図に示すように亜鉛酸化度が増すほど付着力が低下する傾向があることがおおむね確認できました。亜鉛の酸化には、酸素や水蒸気が必要となることから、塗膜(上塗、中塗、下塗)の気体透過試験等により剥離要因の調査を行っています。

亜鉛酸化度と付着力の関係
亜鉛酸化度と付着力の関係

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