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村上海賊の娘を読みました

和田竜さんの「村上海賊の娘」を読みました。和田竜さんは、映画化された「のぼうの城」で脚光をあびた人気作家で、「村上海賊の娘」は、2014年の本屋大賞を受賞した作品です。

この小説は、現在の大阪城がある場所に石山本願寺があった時代に、織田信長が退去を求め、それを拒否する本願寺側との戦(木津川口の戦い)で、本願寺側として戦った村上水軍の娘の活躍と生きざまを描いたものです。

「村上海賊の娘」の主な舞台は、瀬戸内海のうち芸予諸島と大阪湾及びその周辺で、本州四国連絡橋の架橋地点も多々登場します。

小説の文を引用しつつ、現在の写真を見てみましょう。

 

毛利家の武将(児玉就英、乃美宗勝)が、能島村上に援助を乞うために、忠海から能島に向かう場面です。

就英が能島に赴くのはこれが初めてである。不機嫌な顔で、じろりと大頭を一瞥すると、「ふん」と鼻を鳴らして再び前方を睨むように見た。なるほど、ひと度、船に乗って海上から島々を見ると、その景色は一変する。ひとつの島が有する山々は襞をなして折り重なり、島々もまた幾十にも重なっているため、水路と思って山と山の間に入れば入江、入江かと思えば水路と複雑極まりない。・・・・「村上海賊の娘 第1章より引用」

芸予諸島の島々は、広島県備後地方から愛媛県今治にかけて瀬戸内海を遮断するように島が連なっているため、現在では地図でその位置関係は良くわかりますが、当時、航行するには大変だったと伺われます。このような状況から「しまなみ」という表現はぴったりだと思います。

広い海域から、大三島と伯方島の間の鼻栗瀬戸を通る場面です。

就英は能島への海路を教わるため、宗勝の関船に同乗している。自身の関船も引き連れていたが、それに注意を促せと宗勝は言うのだ。「なぜじゃ」と問うと、宗勝は、短い腕を伸ばして船首の方を指差した。振り返った就英は、その光景に目を見張らざるを得ない。「あれは-」と息を呑んだ。水路の両岸に切り立った崖が迫っていた。その狭さは、この関船が通るのかと錯覚してしまうほどである。「鼻栗瀬戸にござるわ」宗勝はこの海の難所の名を口にした。・・・・「村上海賊の娘 第1章より引用」

 

鼻栗瀬戸には、現在「大三島橋」が架けられています。私たちも来島海峡大橋ができて「瀬戸内しまなみ海道」が全通するまでは、ここを社有の船(当時は、公団船と言いましたが)で尾道と今治を行き来したものでした。

 

次に、鼻栗瀨戸を抜け、宮窪瀨戸から能島に近づく場面です。

 

「見近島の右手奥に見える島、あれが能島にござる」「あの小島がか」就英は、唖然とした。見近島よりさらに小さな島である。(中略)宮窪瀬戸を南東に向かえば、伯方島と伊予大島がさらに接近し、海域は押しつぶされるようにして急に狭くなる。その狭まった海峡を堰き止めるように鵜島という、能島より遥かに大きな島が横たわっている。能島は、この鵜島と伊予大島の間の極端に細い水道に腰を据えていた。とりわけ鵜島と能島は100メートルと離れておらず、その水路は荒神瀬戸と呼ばれる難所中の難所であった。戦時となれば、またとない天然の水堀となることだろう。「あの瀬戸、どれほどの潮の早さなのだ」先ほど鼻栗瀬戸で散々な目にあった就英である。思わず身震いした。・・・・「村上海賊の娘 第1章より引用」

 

伯方島と大島の間には、現在、桁橋の「伯方橋」と吊橋の「大島大橋」が架けられています。現在は、総称して「伯方大島大橋」と呼ばれることもありますが、構造的には別の橋です。上に出てくる見近島に「伯方橋」の橋台を兼ねた「大島大橋」のアンカレイジが築かれています。現在、見近島には、「しまなみ海道」の自歩道を通れば、徒歩、自転車、原付等で降りることができ、キャンプ場もあります。

荒神瀬戸の潮流は、観光潮流船が村上水軍博物館前から出ており、船折瀬戸や、宮窪瀬戸と合わせて体験することができます。

 

 

 

 

 

他にも、明石海峡など、瀬戸内海の景色の様々な描写が出てくる小説でした。現在の景色しか知らない若者たちにも是非読んでいただき、橋のなかった時の景色を想像してもらいたいと思いました。おもしろい小説なので、是非読んで、その雰囲気を味わうために、しまなみ海道へも足を運んでください。

 

また、来島海峡サービスエリアでは、3月1日より「村上海賊の娘」の単行本をデザインとした新しいお菓子(どら焼き)を販売しています。お菓子の製造は、薄墨ようかんで有名な松山の老舗中野本舗さんにお願いしており、瀬戸内のレモンを使用したこだわりの「瀬戸内レモン餡」タイプもあります。販売場所が限られた商品ですので、サービスエリアにお立ち寄りの際は、お買い求めください。

 

 

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