生口橋

生口橋 1991年12月供用

生口橋
形式 3径間連続複合箱桁斜張橋
橋長 790m
支間割 150+490+150=790m
塔高 127m(TP0mから)
桁下高 26m(略最高高潮面より)
上部工鋼重 約12,000t
上部工コンクリート量 約8,300m³
下部工コンクリート量 約43,000m³
下部工鋼重 約5,200t

生口橋は西瀬戸自動車道の5番目の橋梁として、1991年に完成しました。完成時点では世界最長の斜張橋でした。生口橋の最大の特徴は、側径間に重いコンクリート桁(PC桁)、中央径間に軽い鋼桁を使用する複合桁構造を日本で初めて採用したことです。さらに側径間部に中間橋脚を設けて橋梁全体の剛性を高めています。PC桁と鋼桁の接合部は、実験データを基に構造や設計法が開発されました。また、橋軸方向の地震時耐震固定法に、側径間の橋脚上への分散固定法が採用され、構造の信頼性・経済性が高められました。これらの技術の蓄積が、完成時に世界最長の斜張橋であった多々羅大橋を誕生させる大きな力となりました。

長大斜張橋を生んだ複合構造桁

鋼・コンクリート複合構造桁

生口橋では側径間に重いPC桁を使用し、これとバランスさせるように中央径間には軽い鋼桁を使用して中央支間長を伸ばすハイブリッド(複合材料)桁を採用しています。これは世界でも数少なく国内では初の形式でした。側径間と中央径間の重量をバランスさせることを基本とすると、斜張橋の側径間、中央支間を同一材料で造ると、長さ比は1:2程度になります。この概念を破り、生口橋では1:3.27としています。斜張橋の橋梁計画の自由度を大幅に広げるとともに、重くて変形が生じにくく安定した側径間の採用により斜張橋中央径間の長大化への道筋を明確にすることとなりました。

PC桁と鋼桁とでは剛性や材料特性が著しく異なります。鋼桁先端部は周縁をセル構造として内部に鉄筋を配置しコンクリートを充填する方式を選定しています。これによりPC桁と鋼桁の剛性の急激な変化が緩和され力が滑らかに伝達されるようになっています。

生口橋で考案された銅桁とコンクリー卜桁との一体化技術。この複合構造技術は完成時に世界一の長大斜張橋であった多々羅大橋にも適用されました。

生口橋 写真ギャラリー

橋梁一般図

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