建物・町並みしまなみ海道沿線の建築-丹下健三-
しなまみ海道の沿線には有名な建築家の作品がたくさんありますので、2回に分けて紹介します。1回目は今治市の丹下健三建築群です。
丹下健三の建築群(今治市)
丹下健三(1913〜2005年)は、少年時代(小中学時代)を今治市で過ごしました。丹下氏は、広島ピースセンター、香川県庁舎、国立屋内総合競技場、新旧の東京都庁舎などの建築で知られ、20世紀を代表する世界的建築家の一人で、文化勲章等を受章しています。また、東大教授としても活躍され、丹下研究室からは磯崎新や黒川紀章などの世界的な建築家が育っています。
今治市には丹下氏の7建築と1文学碑が残されており、すべてが今治市の中心街に位置しています。この中で、今治市庁舎・公会堂・市民会館の3棟からなる建築群はコの字型に配置されており、外部空間を市民広場(現在は駐車場として利用)として解放するという考えに基づいてつくられた貴重な事例として、ドコモモ・ジャパンの選定を受けています。
今治市における丹下健三作品
名称 | 竣工年 |
---|---|
今治市公会堂 | 1958年 |
今治市庁舎(本館) | 1958年 |
旧今治信用金庫本店(現愛媛信用金庫今治支店) | 1960年 |
今治市民会館 | 1965年 |
旧今治信用金庫常磐町支店(現愛媛信用金庫常磐町支店) | 1967年 |
今治市新庁舎(第一別館) | 1972年 |
今治地域地場産業振興センター | 1984年 |
徳富蘆花文学碑 | 1984年 |
2013年9月4日、丹下健三生誕100周年の記念行事の一環として、耐震補強工事等(2012〜2013年実施)が完成した今治市公会堂において、この設計に携わった磯崎新(丹下研究室時代に担当)などを迎えて、シンポジウム「丹下健三と今治」が開催されました。
【参考】ドコモモ・ジャパンに選定された丹下健三建築リスト
ドコモモ・ジャパンが選定した丹下健三の建築リストを下表に示します。ドコモモは現存する近代建築を対象としているため、取り壊された旧東京都庁舎などは対象外となります。広島や高松の建築は丹下氏の初期の名作としても知られ、しまなみ海道からも近いので、訪れてみてはいかがでしょうか。
ドコモモ・ジャパンに選定された丹下健三作品
名称 | 竣工年 | 所在地 |
---|---|---|
広島ピースセンター | 1952年 | 広島県広島市 |
香川県庁舎 | 1958年 | 香川県高松市 |
国立屋内総合競技場 | 1964年 | 東京都渋谷区 |
図書印刷(株)原町工場 | 1954年 | 静岡県沼津市 |
東京カテドラル聖マリア聖堂 | 1964年 | 東京都文京区 |
山梨文化会館 | 1966年 | 山梨県甲府市 |
今治市庁舎・公会堂・市民会館 | 1958年、 |
愛媛県今治市 |